UNISON SQUARE GARDENを知ってくれ
UNISON SQUARE GARDEN(以下ユニゾン)のMステ3回目の出演が終了しました。最高!7/6発売の6thアルバム「Dr.Izzy」より、血界戦線のEDで話題になった「シュガーソングとビターステップ」が披露されました。
3回の出演回すべてジャニーズ枠が関ジャニ∞という、神様私に気を遣いすぎじゃない?と思ってしまうユニゾンのMステ事情。
昔こんなことを書いたように、とにかくロックバンドにとってMステ出演は一大事。今まで認知すらしていなかった人にアピールできる大チャンス。
ユニゾンがこれ以上の市場拡大に積極的かといわれたら否だろうし、完全に余計なお世話なのだけど、せっかくのMステだしUNISON SQUARE GARDENというバンドについて紹介してみたいと思う。
UNISON SQUARE GARDENとは?
UNISON SQUARE GARDEN OFFICIAL SITE
キャッチーなメロディーラインとアンバランスな3人の個性が織りなす鮮烈なライヴパフォーマンスで右肩上がりにセールスと動員を延ばし続ける3ピース・ロックバンド。
ユニゾンといえば先述した通り、「シュガーソングとビターステップ」の印象が今は強いだろう。
UNISON SQUARE GARDEN「シュガーソングとビターステップ」ショートVer.
発売発表当初は、アニメ「血界戦線」はOPが同じレーベル*1であるBUMPだったのでバーターかよ!っと突っ込んでいたが、もちろん良い曲であることは間違いないのだけれどもここまでヒットするとは思わなかった。
しかし「いや、ユニゾンといえばこっちの曲だろう」という人も多いのではないだろうか。
UNISON SQUARE GARDEN「オリオンをなぞる」ショートVer.
アニメ「TIGER&BUNNY」の前期OPだった「オリオンをなぞる」だ。ユニゾンのヒットはこの曲からだし(私もこの曲でユニゾンを認知した)、シュガビタがヒットする前までは「オリオンのユニゾン」だったはずだ。
ちなみに「TIGER&BUNNY」には劇場版2作にそれぞれタイアップしている。
UNISON SQUARE GARDEN「リニアブルーを聴きながら」ショートVer. - YouTube
UNISON SQUARE GARDEN「harmonized finale」ショートVer. - YouTube
オリオンからシュガビタまでの間のシングルでとりわけ有名なのは「桜のあと(all quartets lead to the?)」だろうか。
UNISON SQUARE GARDEN「桜のあと(all quartets lead to the?)」ショートVer.
「夜桜四重奏~ハナノウタ~」OPだったこの曲。この曲と「harmonized finale」の時期にファンの母数が増えていたように感じる。
キャッチーなメロディーに語感のハマった歌詞、リズミカルなドラムにダイナミックなベース、明るく爽やかに鳴るギターといったところが楽曲の特徴だろうけどこれは個人個人で思うところが変わると思うので、まぁ聞いての通りというところです。
私はユニゾンを「ポップなロック」で「ロックなポップ」だと思っている。ポップもロックも両方請け負えます。(ちなみに「ポップなロック」を極みはマキシマム・ザ・ホルモンだと思ってるし、「ロックなポップ」の極みはSEKAI NO OWARIと思ってる。)
ポップなユニゾンがお好みなら4thアルバム「CIDER ROAD」、ロックなユニゾンがお好みなら5thアルバム「Cather In The Spy」をオススメする。
さて、次は愉快なメンバーについて紹介しよう。
斎藤宏介(Vo.&Gt.)
1985年6月24日生まれのニューヨーク州スカースデール出身の帰国子女。イケメン。高良健吾に似ていると名高い。個人的には話し方も含めミュージカルプリンス井上芳雄さんに似てると思ってる。ユニゾンで唯一まともな人。早稲田大卒。
ハイトーンの鋭い歌声が特徴的。田淵の難解な歌詞をここまで歌いきりながら複雑なギターフレーズもさらっと弾いてしまうなど演奏面も人物像もとにかくハイスペック。「スカースデイル」「三日月夜の真ん中」では作詞作曲も手掛けた。
ただし画力に関しては「画伯」。独特のセンスで生み出された哀愁漂う顔をした「しょくぱんくん」はじめ、ゆるすぎるキャラクターがグッズになったことも。
↑ゆるキモキャラクター「しょくぱんくん」
斎藤さんへの私の印象は「タフな人」。14年のはじめに声帯ポリープという、歌のお仕事をしている方にはヒヤっとするものを患ったが、ポリープを抱えた状態のままツアーを決行し無事成功。その後手術のためユニゾンは活動休止をしたが、一か月で復活。また、ライブ中に田淵のベースのヘッドが頭に当たり流血。が、応急処置を済ませた後そのままライブを続行(しかも予定より1曲増やす)。しかも2日後に元気にマキシマム・ザ・ホルモンと対バン。タフすぎる。
ポリープってのは単純に声が出づらくなったり、今まで出ていたはずの音階がでなくなったり、喉が疲れやすくなったりするらしく、体調面もそうだが精神面的にもキツイようで(ポリープきっかけで色々爆発してバンド辞めます宣言して半年以上の活動休止をしたバンドもありますし)。それを考えると、そんな爆弾を抱えた状態でよくツアーを成功させられたと。その時のツアーが5thアルバムの初回盤に音源として残っているけど、いつもとなんら変わりのないパワフルな斎藤さんの歌声が響いていて、事実を知ったとき驚いた。
ユニゾンはライブでリズム隊が暴走しがちだけど、それをきっちりまとめるのがボーカルである斎藤さんという、ちょっと変わったバンド。他が緑や赤なら斎藤さんは青。熱量を綺麗に私たちに届けてくれる斎藤さんほどバンドの中でのボーカルの役割を全うしている人を私は他に知らない。
田淵智也(Ba.)
1985年4月26日生まれ。父は危機管理・情報セキュリティコンサルタントである田淵義郎氏。最近お父さんがよく息子の宣伝してくれていて微笑ましい。ユニゾンのほとんどの楽曲の作詞作曲を担当。早稲田大卒。アニオタ。細田守作品の大ファン。唐揚げ好き。映画ドラえもん強火担。
「ベースこわい」「魔物が乗り移ってる」などMステ後散々言われている通りライブでの「荒ぶる田淵」は有名。あれTV用のパフォーマンスでも当てブリだからでもなく、むしろライブの時はもっと激しいぐらいだから異様。ユニゾンのベースラインはかなり難しいはずなのにどうしてあんなに動けるんだ。
「ライブにおける一体感至上主義の否定」「客とバンドの馴れ合いの否定」などを代表とする独自の「田淵論」(私命名)があり、「自分は何をイイと思っているのか」「何はダメなのか」をはっきり言葉で言えるぐらい明確にし、それに準拠した行動をとる。なかでも「一体感至上主義」にあたる「周りがやっているからと手を叩いたり拳をあげたりする」「バンド側が客にノリ方を指示する」ことに激しく拒否感があるようで、ユニゾンのライブはバンド側が客を煽る言動をすることはほとんどない。ファンにもその思想が濃く伝わってるのが、最近流行りのいつまで経っても「ファンに呼称をつける」文化が起きないことに表れている気がする。田淵の思想が色濃くユニゾン全体の活動にも出ている気がする。田淵の思想を知りたいなら公式ブログを見るのがてっとり早い。
BLOG | UNISON SQUARE GARDEN - official web site
私はTwitterのアカウントを削除してしまったのでソースが不確かになってしまったが、田淵が確かから揚げのフェスか何かに行きたくても行けなかった時に「できるなら 心と体を 2つにわけて君のもとへ」という歌詞を作りだしたエピソードが田淵をこれでもかと表していて大好き。
ユニゾンのみならずLiSA、戸松遥、梶裕貴から夜桜四重奏のキャラソンまで、アニメ系を中心に他アーティストにも多く曲提供、プロデュースをしている。「魔法化高校の劣等生」OPであるLiSAの「Rising Hope」など。
15年に「太陽曰く燃えよカオス(這いよれ!ニャル子さん)」の畑亜貴、「ハレ晴レユカイ」の田代智一、「夢をかなえてドラえもん(ドラえもん)」の黒須克彦*2というアニソン界の錚々たるメンツとQ-MHzというプロデュースチームを結成。オリジナルアルバムの発売を皮切りに、声優やアニソン歌手に曲提供をしている。
また、閉塞感の打破を目的とした「たっちレディオ」というネットラジオのパーソナリティーをQ-MHzの田代さんと一緒につとめている。アーティスト側から見た音楽業界の話や時事ネタ、漫画や映画ドラえもんについてまで真面目に語り倒すラジオである。7/9の0時更新分のラジオで吉田監督特集として田淵が「ヒメアノ~ル」や「ばしゃ馬さんとビックマウス」について語るらしい。楽しみ。
鈴木貴雄(Dr.)
1985年6月13日生まれ。TKO(たかお)。音楽が好きで好きで音楽やってないと生きていけない。斎藤さんからの第一印象は「友達になれなさそう」。アルパカ好き。最近ではサポートメンバーとしてなどソロとしても活躍。
貴雄はかわいい。雑誌の取材で「あなたにとってロックスターは?」という質問に「宏介と田淵…なんてね」とか答えたピュアボーイ。かわいい。編み物をしてた時期がある。かわいい。楽屋で突然構ってほしいのかわからないけど剣道の素振りみたいなのをして奇声をあげていた。かわいい。
貴雄のドラムソロはとにかく楽しい。祭りばやしから徐々に手数を増やしていく5thアルバムのツアーで披露したソロが一番好き。ベストアルバム「DOGOUT ACCIDENT」の初回盤のDVDに収録されています。
近年ではグッズのプロデュースを担当。お洒落。ハイセンス。今期のグッズも満足のお洒落さ。Tシャツだけで7種あるとか豪華すぎでは…!?
GOODS | UNISON SQUARE GARDEN - official web site
グッズに関しての貴雄の「どうしたって餅は餅屋。こんな、デザインやグッズが好きなだけの素人がいくら頭使っても、プロの人には追いつけない。でもね、いくらプロな人でも、UNISON SQUARE GARDENにはなれない。10年、曲がりながらも一生懸命、楽しい音楽を作り続けてきました。その歴史をグッズに落とし込めるのは僕だけです。」という言葉は後世にまで語り継いでいきたい。メンバーがグッズをプロデュースするってこういうことなんだ!
とにかくユニゾンが大好きでドラムがだいすきで音楽が大好きなぽやぽやのんびりしてるけど熱い人。
あまりにも楽しいロックバンド、ユニゾン
こんな個性あふれる3人が集まってできたバンドがユニゾンである。
元々は高校時代同級生だった斎藤さんと田淵がバンドを組んでいて(当時斎藤さんはギターのみ。もったいない…!)、大学進学後小学生の時同級生だった田淵の誘いで貴雄と3人で組むことになり、これがのちにUNISON SQUARE GARDENになっていく。
高校時代は斎藤さんと田淵は電車で別れる際の挨拶ぐらいしか会話していなかったし、先述した通り斎藤さんは初対面の貴雄と「友達になれなさそう」と思っていた。(田淵と貴雄は小学生時代仲良しだったし、田淵は女の子に人気があった(!))
3人がそれぞれ出会ったころ、斎藤さんは校則違反のパーマをかけていてビビられていたし、田淵はオタクでひねくれていて人見知りだったし、鈴木は自分には音楽しかないと悲壮感溢れていた。
3人バラバラで、バラバラだから当然のようにすれ違っていたし、「血まみれになった」と言うほど衝突した時期もあった。
それを経た今のユニゾンはどうだろうか。それぞれがそれぞれの才能を伸ばし、個性をぶつけたり融合させたりしながら唯一無二の「UNISON SQUARE GARDEN」という個性をつくりあげている。
「シュガーソングとビターステップ」のヒットをきっかけにユニゾンは認知度を上げファンを増やしメディアにも取り上げられるようになった。
こんなことを言うのは痛いことも承知。だけで私は思う。
時代がやっとユニゾンに追いついた!!!
ずっとずっと昔から、シュガビタの前からユニゾンは自分たちと向き合い、楽しい最高の音楽を作り続けてきた。ロックバンドとして当たり前のように、いい曲を作り、楽しい自由なライブをしてきた。
私もここ2年ほどの新規。私もユニゾンに気づくのが遅かった。遅すぎた。こんなとんでもないバンドを知らなかった時代を私は「もったいない」と評する。
UNISON SQUARE GARDENを知ってくれ。気づいてくれ。このロックバンドはあまりに楽しい。