嫌い嫌いも好きのうち

君を見つけ出した時の感情がこの五臓六腑を動かしてんだ

愚痴を言うファンでいること

自分がファンをしているタレントに対して文句の多い人がいる。私も文句の多い人だ。はたから見たら、「この人本当に好きなのかな。ファンなのかな」と思われているだろう。だが、好きなのだ。褒めちぎることはできないけど、愚痴ばかりでてしまうけど、それでも大好きなのだ。今日はそういう話をしようと思う。

 

私はSPYAIRというロックバンドが大好きだ。関ジャニ∞やV6と同じぐらい好きだ。UNISON SQUARE GARDENと合わせれば4つの掛け持ちをしてることになる。とんだDDだ。

だが、今の私はSPYAIRに対してつぶやけば愚痴しかでない状況である。今年のSPYAIRはヒドイ。富士急ハイランドでの1万人ライブは完全復活の象徴のようで嬉しかったが、その後アフターパーティと称してファンを招待した打ち上げをホテルで開催している。これがまず気に障る。なぜファンと一緒に打ち上げをする必要があるのか?ライブ映像を見て振り返り、ファンとのトークタイムあり、メンバーは浴衣で登場…。アイドルかよ。「それはバンド活動に必要ですか」と言いたくなる。その打ち上げの参加資格は「ONE PARK」という年一回発売される、端的に言えば写真集を買った人が有効期限1年でなれるONE PARK会員であることである。このONE PARKもまた気に障る。そもそもなぜバンドが写真集を出す?ライブ写真ならまだしも、この写真集に掲載させるためにわざわざ「休日」と称してメンバーで遊びに行っている。それはバンド活動に必要ですか。それでも会員になって特典があるならと発行されてから2年買い続けたが、コンテンツも微妙。更新頻度の低いオフショットにムービー、年1回の頻度でしか行われない会員限定生放送(トークのみ)。ONE PARK会員の触れ込みは「会員限定ライブの開催」があったはずだが、今年は開催されそうにないので結局去年の年越しライブだけである。ツアーをしてくれるわけもないので地方学生の私は申し込みすら断念。これでは対して倍率の高くないライブチケットを応募する機会が一つ増えるという利点しかない。これに年約5000円だ。来年は申し込みをやめようと思う。

まぁこんな不満もバンドとしての活動が充実してたら何も言わないのだ。「プライベートなところも見れる♡嬉しい♡」ぐらいに思えてたのだ。実際ONE PARK2013はそういう気持ちで買ったし(2014は復活祝いで買った)。だがそうもいかない。これが私が一番腹立ってる事案なのかもしれないが、SPYAIR復活以後のシングル3枚、すべてカップリングに新曲がついていない。ライブ音源と再録音源。前は表題曲にカップリング3曲と聞きごたえのあるCDだったのに、表題曲と既存曲の新音源。新曲が発表され、カップリングが既存曲だとわかるたびに絶望の縁にいる気分になった。プライベートを見せるコンテンツは充実させていってるのに、どうして肝心のバンドとしての、ミュージシャンとしての活動を充実させてくれないのだろう。ファンを音楽で楽しませてくれないのだろう。IKE、UZ、MOMIKEN、KENTAももちろん見たい。だけど一番見たいのは「SPYAIR」なのに。

そんな気分のときに発表されたアリーナツアーのタイトル。『SPYAIR ARENA TOUR 2015「DYNAMITE」~シングル全部ヤリマス~

はぁ???である。DYNAMITEっていうタイトルのダサさはまぁいつかやりかねないダサさだからいいとしても、シングル全部ヤリマスって。普段からやってるようなものじゃないですか…。お蔵入り扱いのようだったLIARとmy wouldが聞けるのはいいけど、それ以外は頻繁にやってるよね。2013年のMILLIONツアーで22曲披露してるので今回もそれ前後の曲数として、シングルが17曲なので残り5曲。『SINGING』が外れるわけないので残り4曲。ファンリクエストを募っているので残りはそれが反映された形になるんだろうと思うと、披露する曲がほぼ絞られてるのだ。開始前からセトリが公式から告知されてるライブなんてね…。IKEが公式LINEで「アリーナは屋根があるからめっちゃ興奮はしないので*1富士急ほど自分が楽しみにはできないからどうやって人に伝えるのか悩んだ結果、ここではファンのみなさんに感謝を伝える場に決めました」って言ったとき、ものすごく悲しかった。SPYAIRの夢はきっとまだ「100万人(MILLION)の野外ライブ」であって、それを私も一緒に夢見てた。そしてそこに行くには大きなバンドになってなきゃいけなくて、だからUVERworldONE OK ROCKのようにアリーナツアーができるバンドにならなくちゃなと思ってた。だから私はSPYAIRがアリーナツアーができるバンドになることを夢見てた。勝手にだけど、夢見てたのだ。だから決まったときあんなに嬉しかったのに。勝手に夢見てた私が悪いのだけど、でもアリーナ規模にノリ気じゃないIKEの発言に涙が出たのだ。

こんな私に萎えることばかり起きていて打ちのめされていて、同じことを考えている人はいないかと色々なワードで検索にかけてみるも、肯定的な意見しか目に入らなかった。ジャニヲタは一つの出来事に対して称賛も批判も飛び交う文化だけど、バンドの方は基本的にみんな褒めちぎり、意見が飛び交うことを見かけない。マナー違反を糾弾するときぐらいだ。SPYAIRは某大型掲示板でさえ平和だから驚きだ。こうなるとこんな否定的意見を持ってるの自分だけなんじゃないかと思える。いやほんとにありえる。だいたいこんな批判や愚痴しか言わないし、来年の写真集は買わないし、もうファンやめちゃえばって思った。

 

でも、それでも私はSPYAIRが大好きなのだ。どれだけ妙なことをしてこようとも、どれだけ絶望させられても、SPYAIRの曲を聴けば涙が出てくるぐらい大好きなのだ。今こんなに愚痴を書き連ねていったのに、アルバムダイジェストを聞くと期待せざるをえないような高揚した気分になる。ズルい。音楽で全部帳消しにしてくる。

高1の時、アニメイベントに声優目当てでライブビューイングに参加し、何の意識もせずに見たSPYAIRに一目惚れともいえる衝動で好きになってから、ずっと好きだ。何回も何回も嫌いになったけど、そのたびに曲を聴けば「ファンをやめるなんて無理」って思わせられる。別に彼らのおかげで命を救われたとか、人生が楽しくなったとかそんなおおそれたことはないのだけど、大好きだ。

文句を言い続けるより、与えられたものすべてを称賛できるファンのやり方の方が絶対楽しいことぐらいわかる。結局私は自分の理想をSPYAIRに押し付けてるだけなのだろう。理想通りに動いてくれないから腹が立ってるだけなのだろう。それだと批判されるべきは私なのだろうけど、でも勝手にやらせてほしい。ちょっと愚痴愚痴言うけど、それでもあなたたちが大好きなんだと大声で言う我が儘なファンでいたい。他人だけど家族のような、悪いとこを悪いとはきちんと言うけど、愛情はたくさん捧げられる、そんなファンになりたいです。

*1:SPYAIRはとにかく野外が好き