嫌い嫌いも好きのうち

君を見つけ出した時の感情がこの五臓六腑を動かしてんだ

七夕だから本気愛について考える

七夕である。年に1度、織姫と彦星が天の川を渡って逢える日。年に1度、一晩しか逢うことができない悲しい恋人たち。

あれ、これってヲタクとアイドルじゃね?年に1回とは限らないが、少ない頻度でたった一晩しか会うことのできないヲタクとアイドル。(多ステすれば話は別である)

そういうわけで今回はアイドルとヲタクの間に発生する恋愛感情について考えてみた。

 

 

アイドルに恋愛感情を抱いて応援すること

このことを本気愛、またはガチ恋という。ヲタク用語である。

私は未だ芸能人に分類される方に対して恋愛感情を持ったことはない。初めて好きになった芸能人は声優の中井和哉*1さんだが、恋愛感情は持っていなかったと思う。そもそも彼は既婚者で子持ちだ。その後サブカル女時代に突入するのだがバンドマンに対しては恋愛感情を持っていない。そもそも個人ではなくバンドというグループが奏でる音楽をまるっと含め「好き」でファンをしているので、恋愛対象から外れている。アニヲタ・漫画ヲタ時代も二次創作作品はよく見ていたので夢小説も例にもれず見ていたが、作品の中の人物との恋愛というよりその人物がどういう行動をとるのか、世界観を楽しんでいたと記憶している。

ただこの芸能人に対しての思いを「恋愛じゃない」と定義している確たる理由は実はないのである。

芸能人に対して私は「好き」という気持ちを持っていて。それは友達に対しての「好き」とも家族に対しての「好き」とも違う。だからといって異性に対する「好き」とイコールの関係であるとは言えない。「知りたい」とも「会いたい」とも「話したい」とも思うが、恋愛感情の「好き」ではない。そう思い込んでいる理由はただ単に「芸能人が好きな期間中でも異性に好きな人ができている」からである。だから私は本気愛ではない。そう思っている。ちなみに性的欲求も絡んでこないため、というのも理由の一つである。

私は渋谷すばるさんが好きだ。しかし、恋愛関係に発展したいとは思っていない。

 

 

 

「本気愛」をする人たち

昔、ジャニーズアンチ時代だった私は、本気愛をしている人に嫌悪感を持っていた。「現実みろよ」と思っていた。

そう思っていた理由について考えると、アンチ時代にジャニーズごとを避けていた私の目に入るほどの本気愛の人たちは理にかなった主張をしていなかったことに思い当たった。私がその時代に目にしていた本気愛の人といえば、「〇〇くん(タレントの名前)と付き合ってます。私のものだから好きにならないでね♡」などとまぁ、現実と妄想が入り混じっている人たちだったのだ。だいたいその発言をした人のホームを除くと案の定炎上していた。炎上している光景は、互いが互いを口汚く罵っているところが多いので不快に思う。また実際、「親がテレビ関係の仕事に就いているから、親のコネで〇〇くんに会って結婚するの♡」と発言していた人に会ったことがある。この堂々とコネ発言をすることにたいしての不快感。これらの要素で私は本気愛をしている人に嫌悪感を抱いていたのだ。

しかし、実際にヲタクをしてみて考え方が変わった。というのも、本気愛の方すべてが前述したように妄想と現実の区別がついていない人ばかりではなかったのだ。現実と妄想にしっかり区別がついている。現実を見たうえでタレントに恋をしているのだ。

そういう人がいると知ると、本気愛をしている方への嫌悪感は消えていった。むしろ、アイドルに対して本気愛をするのは当然じゃないかと考え始める。よくアイドルはファンに対して「彼女」と発言する。エイトなら丸山さん、あとは手越さんなんかそういう類の発言をよくするらしい。その発言からみるに、アイドルとは「自分に恋をさせる仕事」なのではないかと私は思う。彼らは私たちに夢を見せてくれる。年齢に関係なく好きと言ってくれる。それに恋をしてしまうのは必然といってもおかしくないのではないだろうか。

ちなみに私はアイドルへの恋は寿命が長いのではないかと考える。確かに結ばれる確率は0に等しいし、進展することはない。ただアイドルは基本的には悪いところは見せない。幻滅するところを見せない。しかしカッコイイところはどんどん見せてくる。よって進展もなければ後退もない、自分の中での好きがどんどん更新されるアイドルへの恋は、長い期間続くのではないだろうか。

 

 

 

私たちはいつになったらアイドルの恋愛を許せるようになるのか

朝井リョウ著の「武道館」を読んだ。

武道館

武道館

 

 この本の最後、主人公が所属していたアイドルグループから脱退してから数年後の場面で、このような会話がされている。

「覚えてません?あのころって、彼氏発覚で炎上とか脱退とか、今じゃありえないこといっぱいあったじゃないすか。坊主にして謝罪した子とかもいたんですよ確か」

「あー、今と真逆だな」 

 これからわかるように、この世界ではアイドルの恋愛は容認されるものになっているのだ。これは女子アイドルの話だが。

ここ最近の恋愛報道によるファンの動揺からわかるように、現代ではジャニーズアイドル(と、ここでは限らせてもらう)の恋愛はケースバイケースではあるが容認派と否認派に分かれている。今話題になっている横山さんと水卜アナほど応援している人口が多いのも珍しいとは思うが。私は表立って否認することはないが、心から祝福するのは難しい。それは今までにも言っていた通り「私たちに愛を歌うから」であるからだ。

では現代のこの状況が朝井リョウ氏が描いた「アイドルの恋愛が容認される世界」に変わるときがくるのだろうか。

私はまずそんな未来が思い浮かばない。それは本気愛をしている人はどの時代にも必ず存在するであろうから。その理由は前述した通りアイドルの仕事は恋をさせることであると考えるからである。だから本気愛の人が消えることはない。アイドルが私たちを彼女と言うことがなくならないうちは。

どうしたら私たちはアイドルの恋愛を認められるようになるのか。これはもう、強行手段にでてもらうしかないのではないか。井ノ原さんやキムタクみたいに結婚して、認めざるをえない状況にする、つまり失恋させるしかないのではないか。だから私は「結婚するなら公表してくれ」「交際宣言をするなら結婚まで見越してくれ」と主張するのだ。

 

 

 

 

以上が七夕だからと本気愛から発展してアイドルの恋愛について考えた結果である。ちなみに私がお話する方で本気愛の方はほとんどいらっしゃらないので、推察が間違っているところもあるだろう。ぜひご指摘ください。

*1:代表作に「ONE PIECEロロノア・ゾロ役、「銀魂土方十四郎役、「アッコにおまかせ!」ナレーションなど