アルバム「JUKE BOX」の曲順を勝手に考えてみた~途中経過~
アルバムが良盤となりうるには、全体の曲の出来、バランス、アルバムのコンセプトなど様々な条件があるが、私は曲順というものが一番大きく占めるのではないかと考える。それはアルバムというものがそれだけで1個の作品であるという意識があるためである。
そういう意識がある私は、「並び順さえ良かったらもっと好きになるのに…」というアルバムが何枚かある。
その最たるものが2013年発売の関ジャニ∞の6枚目のアルバム「JUKE BOX」である。
というわけで今回、私が理想とするJUKE BOXの曲順について考えてみた。
これは特に音楽に詳しいわけでもなく、たくさんアルバムを聞いてるわけでもないにわか者が勝手に考えたものということを頭に入れておいてほしい。ちょっとした戯言程度に受け取っていただきたい。曲順を変えることを「冒涜」だと捉える方なら今すぐブラウザバックしてほしい。
まず、もとの曲順がこちら。
- TAKOYAKI in my heart
- レスキューレスキュー
- Sorry Sorry love
- へそ曲がり
- 青春ノスタルジー
- 涙の答え
- 夕闇トレイン
- クラゲ
- Dear Summer様!!
- あおっぱな
- 北風ブルース
- あなたへ
- Your WURLITZER
- West side!!
- ここにしかない景色
そして私が考えた曲順がこちら。
- Your WURLITZER
- West side!!
- あおっぱな
- TAKOYAKI in my heart
- Dear Summer様!!
- あなたへ
- 涙の答え
- 青春ノスタルジー
- ここにしかない景色
- へそ曲がり
- レスキューレスキュー
- Sorry Sorry love
- 北風ブルース
- 夕闇トレイン
- クラゲ
この曲順に至るまでの経緯を話そうと思う。
まず私が曲順を考えるうえで気をつけたポイントが
①試聴機対策はできているか(最初の3曲で心を掴めるか)
②シングル曲はバランスよく配置されているか
③最後まで飽きさせないアルバムになっているか
④アルバムにストーリー性があるか
おおまかにいってこの4つ。
私が元の曲順で不満があるのがYour WURLITZERとWest side!!がアルバムの終わり近くに配置されていたことである。
Your WURLITZER~West side!!の曲間はゼロ秒。渋谷さんのシャウトでそのままつながっている。これが元の曲順だと最後の3,2曲目に配置されており、この2曲で上がったテンションをエンドロール的役割を果たしているここにしかない景色で強制的に締められてしまうのだ。
それに着目していただきたいのがYour WURLITZERの歌詞。「今宵は何を聴かせようか」「選ぶよ君に似合いのメロディ」「さぁこんな歌はいかがですか?」という誘い文句。期待に胸躍らせる効果のあるこの歌詞を1発目にぶち込まないでどうする。アルバムの宣伝にも「さぁこんな歌はいかがですか?」が使われていたらしいし。
そもそも「WURLITZER」とはJUKE BOXを作っている会社の名前*1なので、このアルバムを象徴するような楽曲といえるのだ。
こうして曲順を考えるきっかけになったのは「なぜワイリッツァーが1曲目ではないのか」と思ったところなので、Your WURLITZERとそれに連なるWest side!!を2曲目に入れた。
こうして1,2曲目を決めて3曲目。①試聴機対策はできているかという問題で、最初の3曲でこのアルバムを「買い」と思わせなければならない。そう考えて候補に上がったのは あおっぱなとTAKOYAKI in my heart(以下タコマイ)の2曲。
あおっぱなの選出理由は「シングルであるから」「ライブでの披露回数も多く知名度があると考えられるから」。
タコマイの選出理由は「関ジャニ∞の自己紹介的楽曲だから」「関ジャニ∞にしか歌えない曲だから」。タコマイの奇抜さは、初聴の人の心を掴めると思う。
3,4曲目をこの2つにすると決めたので、どちらを3曲目にするか最後まで悩んだが、あおっぱなにした決め手としてこちらの記事を参考にした。
http://www.tfm.co.jp/lock/sakana/onair/120423/
ラジオ「SCHOOL OF LOCK!」内のコーナー「サカナLOCKS!」の2012年4月23日の書き出しである。このコーナーではサカナクションのvo.山口一郎氏が「音楽の授業」と題しリスナーに音楽活動の裏側について教えてくれる。
この回を私は確かにリアルタイム試聴していた。そのときはバンドに詳しくなかったので「セトリとかリスナーに考えられるものなのか…」と疑問に思った覚えがある。
この中で山口一郎氏は
例えば、お店で視聴機ってあるでしょ?
そこで、 "あ、サカナクション新しいアルバム出たんだ! 聞いてみよう!"って1曲目から聞いて、 "この聞いた事ある曲がこのアルバムに入ってるだ! 買おう!" ってなるように、シングル曲を頭のほうに持ってくるとか。
と発言している。これを受けてシングル曲であるということであおっぱなを3曲目、それを受けてテンションをさらに上げるためにタコマイを4曲目に配置した。
次に考えたのが③最後まで飽きさせないアルバムになっているかというところ。
この問題を私は、「中盤で一度区切りをつける」という方法で解決させることにした。
私の場合、アルバムで流れを考えるなら、始めからノリのいい楽曲を並べ、中盤をバラードなどしっとり聞かせるものにし、また最後にかけてテンションの上がるものを並べる、というものになる。ライブのセトリの一般的な考え方と同じようなものである。
しかしこの中盤のバラードで、「アルバムに飽きる」という事態が危惧される。というか私がよく中盤あたりが一番疲れるので、ここでしっとりしたものが続いたら絶対飽きる。
これを解消するためにアルバムの大まかな流れを2回つくることによって、中盤に新しい流れがまた入るため、飽きずに聞けるのではないかと考えた。実際にこういう意図があって曲順を組み立てたかは定かではないが、中盤に区切りをつけるということをしているアルバムは8UPPERSだと思う。
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この中で「区切りを入れる」役割を果たしているのが、「LIFE~目の前の向こうへ~」である。知名度の高い楽曲がくることによって、聞き流し気味になる中盤でも気を引くことができる。
というわけで区切りを入れるLIFEの役割を、このアルバムではここにしかない景色に担ってもらうことにした。
アルバムのエンドロールのイメージが大きいと思われる楽曲だが、LIFEの代わりとなるシングル曲はここにしかない景色しか考えられない。そういった理由で選出した。
こうして中盤のポイントにここにしかない景色を置くことを決め、前半と後半の楽曲を置いていった。
しかし、私の中でここにしかない景色はターニングポイントでもあるがあくまで「前半の流れの最後の1曲」という考え方。「後半の流れの一曲目」を考えなければならない。
ここで候補に挙がったのがまた2曲。へそ曲がりとレスキューレスキューだ。
しかしこれは先ほどのあおっぱなとタコマイで悩んでいたのとはわけが違う。後半一発目はへそ曲がりでしか考えられなかったのだ。そう、へそ曲がりがシングルでなければ。
②シングル曲はバランスよく配置されているかにつながる問題である。前半最後の曲と後半一発目の曲として定めたこの2曲が連続するのは必須。しかしへそ曲がりにしてしまうとシングル曲が2連続になってしまう。
へそ曲がりの代わりになるなら、とレスキューレスキューを選んだのだが、どうにも並べてみると収まりが悪いように思う。「へそ曲がり→レスキューレスキュー」の流れはあまり違和感を感じないのだが、「レスキューレスキュー→へそ曲がり」がどうも気持ち悪い。
気持ち悪さを感じる要因はへそ曲がりのイントロにあると思う。やすば2人だけの歌い出し。これが確実に流れを切る役割を果たしている。だからへそ曲がりを後半一発目に選ぼうとしたわけなのであるが。レスキューレスキューのイントロも気持ちの切り替えができるものになっているため、「レスキューレスキュー→へそ曲がり」だと流れを切ったあとさらにまた切る、ということになるため違和感を感じるのであろう。レスキューレスキューの方がへそ曲がりより大胆に切られてないので、「へそ曲がり→レスキューレスキュー」という流れにするしかなかった。
というわけでどう考えてもへそ曲がりしか無理、というわけでシングル2連続になってしまうが後半一発目としてへそ曲がりをチョイスした。
アルバム「FIGHT」でもツブサニコイ→イエローパンジーストリートになっているし、いいかな…。
音源ではここにしかない景色とへそ曲がりの曲間があまりにも短いため、ここにしかない景色の最後を1秒足してもらいたい。
ちなみにここにしかない景色の前には涙の答えを持ってきたかったが、さすがにそれをするとシングル3連続になってしまうので、あいだに青春ノスタルジーを挟んだ。
こうして前半、後半の流れが決まったため、最後の問題であるラストを何の曲にするかという問題に取り掛かった。
これを考えるために重視したポイントが、④アルバムにストーリー性があるかである。別に物語を作れというわけではなく、歌詞や曲調で並べ方を考えろということである。例えばSorry Sorry loveが最後の楽曲だったら笑うでしょ?
これはここにしかない景色が一番適任だった。エンドロール的役割で締めにふさわしい。このアルバムで一番最後が似合うものだと思う。
しかしこの曲は前半の区切りとして使ってしまったため使えない。だからそれの代わりを考えなければならなかった。
そこで私が考えたのがストーリー性。私はこのアルバムのテーマはタイトル通り「JUKE BOX」、そして「夏」だと考える。まぁこれは夏楽曲が多いというのもあるが、アルバム曲全部に漂っているアツさが夏を感じさせる。
JUKE BOXのイメージは夏。うだるような、首元を烟り漂うむせ返る暑さが曲全体にある感じ。色は赤褐色でイメージビジョンは砂漠。
— ご と う (@SAusgkj8) 2015, 5月 31
だいぶポエムチックに書いてしまっているが、こんな感じ。
じゃあこの夏のアルバムを締める楽曲は何がいいのか。あるじゃないか、適任なものが。夏の終わりを歌った曲が。
そう、クラゲが。
まぁ正確には夏の終わる前を歌った曲だけど、テーマが「夏の終わり」であることには間違いない。
そういうわけでクラゲを最後の曲に決定。夕闇トレインを最後から2曲目に配置したのは同じようにストーリー性を考慮した結果、列車の持つ「別れ・旅立ち」というイメージからである。
クラゲと夕闇トレインが逆でもストーリーは成り立つが、曲調を考えると夕闇トレインが先の方がしっくりくる、ということでこの順番になった。
あとは残りの枠を穴埋めして、この曲順が完成したのである。
タイトルに「途中経過」と表記した理由。それは単純にまだ気に入ってないからである。この曲順で気に入ってない理由は、
・シングルが前半に固まってしまっている
・レスキューレスキューと青春ノスタルジーの収まりが悪い
・前半のアップ部分に比べ、後半の勢いが足りない。
の3つである。
レスキューレスキューと青春ノスタルジーは実際にこの曲順で聞いてみると感じる違和感が一番大きい2つである。
この問題も解決したいのだが、今考えられる曲順で一番しっくりくるものがこれなので、なかなか解決策が思いつかない。この曲順にするために3つほど他の案を経てなっているのだが、こうして色々配置を変えていくうちに「前の曲順が一番収まりがいいのでは…」という思考にハマってしまうのだ。元も子もねぇ。
だからこれの解決策が思いついたらまたブログに書くかもしれないし、このままでいるかもしれない。よかったらここまで読んでくれたあなたも、曲順を考えてみてほしい。JUKE BOXに限らず他アルバムでも。気が滅入るが楽しい作業である。
そういうわけでこれが私の出せる現状ベストの曲順でした。
*1:ワーリッツァー社