【関ジャニ∞】アルバム「ジャム」感想
関ジャニ∞のニューアルバム「ジャム」の感想記事です。ユニット・通常盤収録曲はまたいずれ。
01. 罪と夏
夏にアルバムを出すことによって実現した「罪と夏」の一曲目配置。ちなみにアルバム一曲目がシングル曲なのは関ジャニ∞史上初です。
この曲でブチ上がることはリサイタルやエイタメで実証してるので一曲目がこの曲であることに対する信頼感は強いです。ただここに至るまで聞きすぎて・披露回数が多すぎて(エイタメではもうお手振りでしたしね)食あたり気味なところはあります。
ここまでキラーフレーズだらけな楽曲も珍しいですね。「真夏の俺らは罪なのさ」「君は「思い出」じゃなくて「好き」になってよ」「君の八月の全てくれないか?」「君は誰かにじゃなく僕に笑ってよ」「君が八月泡沫の夢なんて」「君が今選ぶなら「そりゃ僕だぜ?」・・・とか無理だしな」etc……情けない男版西野カナか???
02. 今
ニセ明(星野源)提供曲。編曲は菅野よう子さん。そしてアルバムリード曲。
アルバムリード曲が2曲目に入るのはエイトさんは久しぶりじゃないですか?「元気が出るCD!!」の一曲目「High Spirits」はインストであり2曲目に控えるリード曲「勝手に仕上がれ」の前フリのような役目でもあるので除外すると、「8UPPERS」のリード曲が12曲目の「アニマル・マジック」以来なので7年ぶり、ベストを除いて5作ぶりですね。
A・Bメロの「いつまでも此処に居たいけれども 旅立つ夢を見てしまったことを 貴方に祈りを捧げるよ さよなら またいつか会うまで」という歌詞に星野源の非凡さを感じます。一見ポップで誰にでも当てはまるような歌詞に見せかけ、実のところ物語や人の本質的なところを捉えているところにさすがの一言です。あと一番最後の「今」のあとに一度「ほら」を挟むことによって「私たちも一緒に未来に行くんだな」って優しい錯覚をさせてくれているところが天才。
この曲が歌えるのって、関ジャニ∞がある程度昔描いた夢を描いているからなんですよね。松竹座も埋めれなかった時代から今ではドームツアーをするように。自分たちの演奏でロックフェスに出れるようになったり。
それでもまだエイトの夢は尽きない、もっと上を貪欲に目指しているのだから、この曲を歌う事に説得力が生まれているみたいです。そういう意図も入ってこの歌詞になったのかなぁ。たまたまかなぁ。どちらにせよ、嬉しくて頼もしくて、なんとなく泣いちゃいそうになる曲です。
03. DONAI
この曲に関しては関ジャムですべて私の思った感想をフライングして解説されているのでもう言う事ないのですが(笑)
主役を奪い合うように、というコンセプトがこういして楽曲に反映されるのかということに感心しました。サビがソロパートなところとか。「ダメだ…Party Girl いいボケが浮かばない」という歌詞、丸山さんがめっちゃいい声で歌ってるのめっちゃ面白い。ここでライブでは「いいボケ」かましてくるんだろうなという期待があります。
「マチガイの恋でも素敵やん……?」をアイドルに歌わせるのはニクいですね。恋させにきてる。今回初提供の方たちはなんとなく「ファンはアイドルに恋してる」から「アイドルはファンを惚れさせにかかる」歌詞が多い気がして、考えられているアイドルとファンのイメージが見えてきて面白いです。何も間違ってない。この曲がライブで披露されることが楽しみでしょうがないです。
04. なぐりガキBEAT
エイトにしては珍しいスカサウンド。横山さん主演映画でスカというのは狙っていたのかはわからないのですが、横山さんがトランペットを始めたことによりエイトの武器にスカが加わったことは大きいということを実感します。錦戸さんはサックスもできるしね。
スカももちろんなのだけど、独立して動くベースラインが気持ちいい。
歌詞は映画本編に寄り添っていますね。ラストの「Knock Up The Scrawl Beat!!」はまんま「殴りガキBEATを突き上げろ!!」のようです。
05. 夢への帰り道
BEGIN提供曲。やわらかい、温かい毛布で包まれるような楽曲。
「夢」に「帰る」というのは今までになかった表現ですね。「手を振るならハグしてほしい」=別れたくない・迎え入れてほしい、「夢から醒めただひたすら朝焼けが眩しい」=夢破れ、希望から目を反らすと解釈してみると、夢が叶わなかった「君or僕」が現実へと帰ってくる物語なのかと思います。夢破れた「僕」が君に迎えられたいのか、夢破れた「君」にお帰りと僕が言いたいのか、はたまた「君」=「僕」なのかもしれないですね。
偶然なのか意図したのか、「今」と対比になっている曲になっているような。2曲目の「今」を5曲目であるこの曲で「今が力尽きて」と瞬殺してしまっていることになってしまうのですが(笑)
「君は孤独をピアノに変えて 僕は不安をギターにしよう」という歌詞は音楽に寄り添って生きている人にしか歌えないものに感じるので、この歌詞を関ジャニ∞が歌ってもいいと提供してくれたBEGINさんが嬉しかったりします。
06. えげつない
音楽界期待の異才新人岡崎体育提供曲。
サウンドとしては言うならボカロ音楽によくあるような、ネット音楽の雰囲気があります。和ロックのような(?)、全曲レビュー*1では津軽三線をシンセ音に置き換えたようなと例えられていたイントロでピロピロ流れている音が特に。自宅で楽曲をクリエイトしている岡崎体育さんらしい曲だなと思いました。アウトロがなかったり、フリースタイルラップバトルがあったりと、トレンドが盛り込まれた音楽です。
関ジャニ∞を「偏西風」と例えたのはこれが初めてじゃないですかね!?なるほどと思いました。西寄りの風。うちわを本来の用途のように扇がせるのも盲点です。この人の着眼点がすごい…えげつない……。
この曲の見所は何と言ってもネットのリサーチを経て作られたラップバトルの部分ですね。
"えげつない"のラップバトル部分はeighterの皆さんがNAVERまとめとかツイッターに書いてたエイトのエピソードをまとめ上げて歌詞にしたものなので、
— 岡崎体育 (@okazaki_taiiku) 2017年6月25日
eighterの皆さんは「私、岡崎体育に歌詞のアドバイスしてんで」って飲みの席で後輩とかに大きめの声で自慢してくださいッ。
本人がこう言及しているように今までの提供の方もこうしてNAVERまとめとかを見てリサーチしていただいたのかなと思うと、そろそろネット上のエピソードもアップデートが必要な気がしてきましたね……。
よこすばがラップうまくて驚きました。すばるくんは歌うものなら何でも上手そうなので結構期待通りですが、横山さんが思いの外上手だった。下手だとは思っていなかったけど、思ってた以上に綺麗に聞きやすかったです。「いやいやいやいやちょい待てちょい待て」の乗せ方が上手いなぁと。パーカッションで刻みが身についているからかなぁ。この2人はラップ詞に感情を乗せることが上手いのかもしれないです。
ラップ自体はそんなに韻踏んでいないのですが、「全てが散らかってる甘えん坊 実家から出直せ尼へGO!」が好き。あと安田さんの全力尼っぷりも好き。
丸山さんパートがちょっと台詞感強いのは、もしかしたら岡崎さんから細かく刻み方の指定が来ていたからかもしれないなと思いました。というか、岡崎さん本人がデモ吹きこんでいたんだろうなと。だとしたらその音源聞きたい……!
07. パノラマ
私は前作「元気が出るCD‼︎」の時、シングルの時は良くも悪くも無難な印象
(※個人の感想です)だった「強く強く強く」がアルバムに入ると輝いて聞こえて、改めて魅力を再認識したって経験があったのですが、今回はパノラマにその現象が起きました。
まずイントロのワクワク感が強い。C&Rも用意されていてノリやすい。アニメタイアップだけあって少年少女に寄り添うような歌詞に童心に帰りたくなります。私が小学生の時にこの曲を歌いたかったなぁ。歌うにしてはAメロ低すぎて難易度が高いのですが(笑)
改めて見ると歌詞が熱い。激アツ。「秘めたその情熱で鐘を打ち鳴らせ」「勇気の火を絶やさず運命切り開け」「果てない大地を目指せ 探してた答えはきっとそこにある」この円盤はとにかく前へ進む意思が強い歌詞が揃い踏みですね。
07. Never Say Never
我らが安田章大作詞作曲。スパイダーマン:ホームカミングの日本版主題歌です。この曲の世間からの評価がつくのはこれからなのだなぁ。
重々しいイントロから、重さを残しつつ駆け抜ける爽快感と疾走感あるロックサウンド。とにかくサウンド一個一個が重い!重いのに疾走感がある!この奇妙なバランスこそが安田章大という気がします。
アルバム曲としてここまでチープさも無く違和感なしで溶け込む楽曲を作れるメンバーがいることは関ジャニ∞の大きな強みです。クリエイターを伏せられてこの曲を聴いても、特別好きな曲だと感じるのだろうなと思います。メンバーだけで作り上げたアルバムも夢じゃないのかもしれない。
この曲をはやくライブで聴いて拳上げて頭振りたいです。
08. 侍唄
レキシ提供曲。エイタメどころか2年前の「元気が出るLIVE!!」で披露されていた楽曲なので、まだアルバムに入ってなかったかそういえばと。
この曲も「夢への帰り道」同様「帰る」ことがテーマとなっている曲ですね。ふるさと=「関西」がある関ジャニ∞にとって「帰る」というテーマは大切にしておきたいものなのかもしれないですね。
壮大なストリングスに負けない、関ジャニ∞の歌唱力の高さを存分に味わえる楽曲です。音の伸びが魅力的なすばるくんは特にこういう曲調の時に輝くなぁ。
09. S.E.V.E.N 転び E.I.G.H.T起き
ユニコーン提供曲。今回提供していただいた方はそこまで我を出していない気がするのですが(「元気〜」の時は提供陣の我がもっと強かったと思う)、この曲はTHE・ユニコーン。
曲名を見た時は三代目ばりにゴリッゴリのEDMだったらどうしようかと思いましたが(笑)
音に対してことばの置き方が秀逸。「エス イー ブイ イー エヌ ころび」という言葉をよく置けたな!と。綺麗にはまっているのでノリやすいです。この曲絶対楽しい。ライブで聴いたら絶対楽しい。ワンツーワンツーしたい!!
10. NOROSHI
この曲はパノラマとは逆にアルバムに埋もれたかなぁと感じました。
シングルリリースで歌番組の時に盛り上がり、エイタメでも2回、それも本編最初と最後に使われたことによって、すでに私に印象が決定づけられているのが原因なのかなと考えています。黒子のバスケの洛山戦でミスディレクションが使えなくなったみたいな(?)これ1,2年経てば気にならなくなるのですけどね。あと今まで関ジャニに興味がなかった人が聴いても問題ないはずですし。
最近の関ジャニ∞のバンドの勢いは、この曲をリリースしたことを皮切りに始まったようなものなので、これからもずっと大切な曲だと思うことには間違いないです。
現代人を刺しまくり煽りまくるこの曲をずっと挑戦者としてジャニーズに、東京に、アイドルに挑み続けた関ジャニ∞が歌うからこそ説得力が生まれるのだと思います。
11. 青春のすべて
水野良樹(いきものがかり)提供曲。 初回Aに収録されているMVの映像に合わせて作られた楽曲。
四季に佇む関ジャニ∞を見て「青春」と題していただいた水野さんの歪みなく綺麗な歌詞が心に沁みます。「今」で未来に向かっていった彼らが「青春のすべて」で「僕は明日を生きている」と伝える、アルバムを通して一連の物語が出来上がっているんですね。これ全体の構成を考えた方は誰なのだろう…綺麗なアルバムです。
「僕らがみたのは 青春のすべて」という歌詞が全体を通しても一番心に残ります。私たちファンは、横山裕、渋谷すばる、村上信五、丸山隆平、安田章大、錦戸亮、大倉忠義の「関ジャニ∞」という青春を見続けているのだと感じました。それこそが、「青春のすべて」なのだなと。
別れの歌なのですが、なんとなく関ジャニ∞と移りゆくファンの歌のように思っています。これライブで直接歌われると思うと泣いちゃう(笑)
総括
とにかく「今を超える」「未来へ行く」という上昇志向の強いアルバムになっていると思います。これは関ジャムがきっかけで繋がった方々が今の関ジャニ∞を見て「上に行きたい気持ち」を感じとったからこそ、そういう曲をプレゼントしていただいたのだと思います。
新年会での抱負が見事に叶えられいるようで、今私は「有言実行」の最中を見ているのだなと感じます。
ただアルバム全体として見ると、シングル曲が多いのとシングル曲以外がすべてアーティストからの楽曲提供という形の曲なので、 ちょっとメインが多すぎるかな……。主張はどれも見事に一貫しているのですが、それゆえに横への広がり、バラエティさには欠けるかなと思いますが。
それでも音楽的にも技術的にも、前作より確実にパワーアップして聞き応えのある円盤になっています。これを掲げたツアーがより楽しみになりましたし、これから先もどのようなアルバムを魅せてくれるのかなと期待が高まるような一枚でした。
関ジャニ’sエイターテイメント DVD/BR感想
遅くなりましたが、関ジャニ’sエイターテイメントの円盤の感想を書きます。
これ本編は見た前提で進めるので、まだ買ってないよ!って方は今すぐポチってください。
今回は何と言ってもオープニング。
8UPPERSからMV、すばソロまで数々お世話になっている中村哲平監督とのお仕事の中でも、今回のライブOPの関八組映像は最高級です。
特攻服を着たり、柄柄なシャツを着込んだチンピラヤクザもこなし、何かとそっち方面と親和性の高い関ジャニ∞ですが、今回はちゃんとした(?)格式高い組織の中でのヤクザ役。関西のそれも田舎の方出身のメンバーから滲み出る輩感から成せる技。
そしてこの映像がまた考察厨が疼くように出来ているんですよ……。またいずれ考察については気が向いたら書きます。
このOPラストの今から出陣だってところからライブ本編NOROSHIで始まるところが最高にかっこいい。私たちは組長の仇だったらしい。考えた人誰!?錦戸亮ちゃん!?!!!天才!!!!!!!!!
これ後ろについてくるダンサーさんもオラオラしながら煽ってくれて楽しい。
このOP単体でも最高なのですが、私がさらにグッときたのは、即座にエイトレンジャーOPでヤクザOPをパロったことです。
あのOPは今回のライブの目玉の一つだし、これから先も「エイタメOPは最高だった」と言われ続けるであろう最高級に「かっこいい」映像を、一瞬で「面白い」に変えてしまう。あの「かっこいい」映像にさえ全体を通してオチをつけてしまう。
こんな芸当ができることこそが関ジャニ∞の強みだと思っています。
関西出身として、アイドルながら「面白い」を追求してきた関ジャニ∞。デビューして10年以上キャリアを積み上げてきた今、関ジャニ∞は「面白い」と「かっこいい」の両立を自然とこなしてしまえます。
「かっこいい」だけじゃ終わらない。「面白い」だけじゃ終わらない。
両方を高い水準で見せることができることこそが、関ジャニ∞にしかない武器だと考えています。
その武器を存分に活かしたものが、今回のレンジャーOPだったのです。
この前半パートのヤクザからレンジャーへのスピード感が、関ジャニ∞にしか出来ないことを発揮されていてグッときたのです。
だからこそ、レンジャーはちょっと消化不良でした。
エイトレンジャーであって、エイトレンジャーではなかったような。いつもは関ジャニ∞とは独立して動いていたエイトレンジャーですが、今回は関ジャニ∞のショーの一つとして組み込まれていたようです。
まずいつものレンジャーとは違い、今回はレンジャー自体にストーリーはほとんどありません。敵を倒さないし(OPで倒したことになっている)、お姫様も出てこないし、仲間割れもしない。
「エイターテイメント」というタイトルを掲げたツアーであるので、レンジャーもエンターテイメントに挑戦するという内容はテーマに沿った演出なので、こういう魅せ方が今回の正解だったのかもしれません。
ただ私が、いつものレンジャーを見たかったと寂しいだけですね(笑)
しかし、今回レンジャーがあったことで、まだこれから先もレンジャーがライブで披露される可能性がある*1ことがわかったので、次のレンジャーにも期待しています。
ただ、あまりにもストーリーがブツ切れなので、夏のジャムで今回の話の後編をしてほしいです!!!!
あと大倉安田錦戸の「いや、さっきさっき!」の語感が大好きなので「いや、さっきさっき!.mp3」を配信してほしい。
あと今回特筆すべきはユニット曲のクオリティの高さ。今回の組み分けは村上(KING)、横すば、山田、tornでした。
レンジャーの流れでそのままKING曲になるのですが、今回は煽るKINGではなく、魅せるKINGでした。踊りで、ラップで、歌詞で。
コメンタリーでもダンサーさんに触れられていたとおり、このKING曲ではTAKOYAKIダンサーズさんが勢揃いして村上さんと一緒に踊ります。その光景が圧巻でして。
曲調もダンスもKINGがなければエイトがすることはなかったようなものです。始めはサクラップだったものが、たくさんの声に晒されながらもここまでクオリティーの高いパフォーマンスまで昇華させ、エイトに新たな刺激を与えてくれたのだと考えると、やはりKINGを極めた村上さんはかっこいいと感じました。
また今回はカラーチェンジができるペンライトでして、唯一のソロ曲のためペンライトが一色になったのはこの曲だけでした。紫一色の会場が、村上さんとKINGを祝福しているような気持ちになりました。素敵な光景でした。
山田は改めて歌が上手い。伸びやかで爽やかで、心地いい歌声が織りなす青の世界に煌めくオレンジが美しく、The Lightの世界観にずっと浸かっていたくなります。
声の相性も良く、ジュニア時代から一緒にいるため相手の出方を知っている2人。お互い似たポジションで、好敵手と書いて山田と呼んでも差し支えない2人。
今の2人にThe Lightという曲があってよかったなと思うし、あまりにも心地良すぎてもっともっと欲しくなりました。定期的に山田で曲を出してほしいし、あわよくば山田コンを開いてほしいです。MCが不安すぎるけど……。
ラスサビ前でお互い顔を向き合うシーン、「別に決めてたわけではなく見たら向こうも見ていた」ってコメンタリーで話していたのに、「お互い気ぃ使いだから見てしまうんやな」ってロマンぶち壊した大倉さんマジ大倉さん。
ハダカという楽曲で、私はすばるくんばかり見ていたので、横山さんが何をしてるのかっていうのをほとんど知りませんでした。
どんな表情で横山さんがすばるくんを見つめていたのかを、知りませんでした。
私は今まで「くしゃくしゃな顔見せておくれよ」という歌詞で、すばソロ2015の、坊主頭で「関ジャニ∞っていうアイドルグループやってます!!」と叫んでいたすばるくんを思い出していました。
でも今度からは「だから僕ら生きている」と歌う横山さんを思うことになりそうです。あんなクシャクシャな顔してすばるくんと向き合ってたなんて知らなくて、あの瞬間を私は何度もリピートしています。この向かい合う振りは1番でもあるのに、ラストで初めてお互いの顔を映す編集をした人、ニクいなぁ(笑)ありがとうございます!!
去年、ただの悪ガキ2人が時を経て5万人の前でピアノとハーモニカで歌い上げた「乾いた花」のように、ずっと一緒に仕事をしていた親友と改めて全てをさらけ出してぶつかった「ハダカ」もまた、心の奥に大切にしまっておきたい淡い思い出になりました。
おこがましくも断言させていただきますが、関ジャニ∞の中で「Steal your love」を歌いこなせるのは錦戸亮と大倉忠義しかいません。
ビジュアル班として、俳優班として、ジャニーズアイドルをスマートにこなせるのはこの2人だけです。
泥臭さも男臭さも出さず、少女漫画のヒーローのような佇まいで激しく弾ける暗い愛を歌えるこの2人、ビジュアルの暴力です。
ただやはり大名曲「torn」を知ってしまっているので、あの手つなぎ回転のような何かを期待してしまったことは白状します。2人がほとんど接触しないので、もどかしかったです(笑)
特にThe light、ハダカを見せられた後だったのでぐぬぬ……ただそこで安易に触れないところがtornのtornたるところだし、Steal your loveの世界観だったのだと思います。
セトリと演出について。
曲の順番に関しては、歌詞を聞くと「なんてストーリー性の無いセトリなんだ!」と思うのですが、客席を「参加者」にする曲(C&Rがあるバンド曲など)、「傍観者」にする曲(ダンス曲など)、「女の子」にする曲(お手振り曲)*2の並べ方で緩急が考えられたものだったと感じます。
後半のユニット曲2つからの「Black of night」で客席の目をがっつり奪った後、参加者曲から女の子曲に変わりつつある「キングオブ男!」を挟んで定番お手振りゾーンに突入する流れが上手いと特に思います。キン男をクッションにすることで無理なく客席のテンションを変えられている。
他にもガラッと雰囲気を変える時には映像やMCで間を空ける(パノラマやTokyoholicの前)など、客席の心情を考えられたセトリだなと思います。優しいセトリ。
今回エイトは「魅せること」に気合い入ってるなと思ってるのですが、やはり「Black of night」(以下Bon)の功績は大きいと感じます。
ダンスが苦手と公言しているエイトさんですが、Bonはケチのつけようが無いぐらい良かった。全員が表情までつくってダンスしているところが、世界観に入り込んでいるところが良かったです。
ダンスって本当に足の指先から風になびく髪の毛まで体全体で表現できるのだから、表現の幅が大きいんです。だからいつもキツそうに眉間をしかめて踊るの勿体ないなぁと思っていたのですが、この曲の世界観にあった苦しみの表情を今回していたので興奮しました。これが見たかった!!
特に丸山さんのAメロが、まるで舞台を見ているようで見入ってしまいました。普段から歌詞に合わせた振りをしているから、ハマりやすかったのかもしれないです。
今回こうしてダンスの表現力が高かったのは、やはり安田さんが手がけたからに他ならないと思います。
「ヤスが頑張ったやつだから」みたいな心情も多少はあるのでしょうが、それより「制作した人の意図した世界観を直接共有する」ことができたことが、表現力に繋がったのだと思います。振り付けまで安田さんの手が入っているのですから、いつもより表現しやすかったのではないかなぁ。
ダンスもこの曲のおかげで大満足以上でしたし、エイタメが「バンドもダンスもバランスが良かった」という印象になったのはこの曲の功績が大きいかなと思います。
あとはね、すばるくんがちょぉ~〜~~~~~かっこよかった!!!!!!!!!!!
まずビジュアルが最高。前髪重め短髪最高。ぱっつんじゃない前髪最高。私の大好きな顔面が髪型によってさらに引き出されていてもう最高。ありがとう前髪forever。
そんな最高ビジュアルなのに今回かなりアイドルしていてもう私のHP0。ウィンク決めまくり。カメラ見つめまくり。手振りまくり。象のウィンクではあまりの衝撃にカメラが揺れた。
そのウィンクも必ず右目だし、顔を傾けるのも必ず左が上でパターンがないし、お手振りもCメロみたいに自分のソロパートの絶対抜かれるおいしいとこでも振ったままのなんか惜しいところとか、もうとにかく不器用で愛おしい。
それでいてBlu-rayに収録されている「ツブサニコイ」で、カメラを見つめると歓声が起きて、その歓声でふふっと笑みがこぼれるすばるくんが!!!なんだか私たちとっても愛に包まれているようで!!!!!たまらんです!!!!!!!!!!
歓声には慣れているはずなのに、まだ歓声を聞いて微笑んでくれるのかと嬉しくなります。
ダンスもガチで表情つくって踊り込んでいたし、バンドでは目バッキバキにして歌っていた姿が印象的です。
2016年すばソロから感じていたのですが、すばるくんは自分の衝動を完全にコントロールできるようになったように感じます。
叫ぶところ、ブルースハープを吹くところ、今までより綺麗なタイミングで調和がとれた音になっています。ソロで独立して奏でるのではなく、あくまで曲として、バンドとして溶け込むように叫んでいて。それがどれだけ技術力を必要とすることなのか音楽に疎い私にはわからないのですが、とにかくこの変化はバンドにとって更に大きな力になるのだと思います。
特に「象」の二番以降のサビ。「その足で踏みだせ!世界は変わる!!」と叫ぶところがあまりに綺麗にハマりすぎていて、いつもそこで血液が沸騰するぐらい興奮してしまいます。
この変化の起因はすばソロでプロと触れ合っていることにあると思うので、やはりすばソロ様様……次回はいつなのでしょうか……。
エイタメのすばるくんが私は大好きで大好きでしょうがないのですが、性格も見た目も変化が激しい人なので(笑)、新しい彼との出会いもまた期待しています。
その他グッときたところ
- 錦戸さんの挨拶の可愛さ百点満点だし、きちんと大倉さんでオチつける新☆タコヤキオールスターズのみなさんが大好き。すばソロのおかげでバックバンドの方も知るようになって更に楽しめるようになりました。
- ジャスティス丸山さんの完成度高すぎて笑う。レンジャーのくだりもめちゃくちゃ笑ったし、足を運ぶ流れも、とにかく丸山さんが絶好調だった。 アコースティックコーナー、ペンライトが無数の星のようで、真ん中にぽっかり浮かぶ7人が綺麗だった。
- キングオブ男、毎回毎回すばりょちゃんがニヤニヤしてしまっているところに気まずい厨は殺されます。いつになっても慣れない2人愛おしい。
- 全力で「前向きスクリーム!」を踊る倉安。コメンタリーで「踊らないって言ってたじゃん…」ってなる錦戸さんが錦戸さんすぎる。
- 象直前、大山田の即興セッションがかっこいい。セッションパートとしてセトリに入っていてもおかしくない。なんであんなにジャストにベースソロに以降できるのだろう……
- Wアンコ、映像見てるだけで5大ドームツアーの発表ブチ上がるのに、会場にいる人は凄いだろうなと。「渋谷のハロウィン」の例えが秀逸。
- エンドロールで映ったすばるくんの丸眼鏡。
- もうなんか全部すばるくんの丸眼鏡が持っていった。
MCで山田の漫才を披露されたあと、村上さんが、「エイターテイメントですからね」と言いました。
私はこの言葉が今回のライブを表す一番の言葉なのだと思います。
「エンターテイメント」を見せること。それも関ジャニ∞のエンターテイメントを見せること。それが根幹にあったからこそ、ダンスもバンドも、バラエティもシリアスも、すべてを全力で魅せるライブが出来上がったのだと思います。そしてそれこそが、私が見たかった関ジャニ∞でした。
本当に楽しくて最高なライブでした。だから、夏のドームも「エイターテイメント」の名前が引き継がれていて嬉しかったです。
それも次は最高にかっこいい(予定の)アルバムを引っさげてのツアーですから、期待は最高潮です!
夏もまたかっこいい関ジャニ∞に会えるのを楽しみにしています!!!
買ってよかった!「渋谷すばる LIVE TOUR 2016 歌」
発売から何ヶ月経ってんねんって感じですが、「渋谷すばる LIVE TOUR 2016 歌」のDVD/BDについての感想という名のダイレクトマーケティング記事を書きます。
というのも(id:Kxxs2)さんがTwitterで「すばソロDVDについて語ってほしい」とおっしゃっていらして、よっしゃいっぱい語ったろと思ったところでここに感想を残していないことに気づき、急いで書いている次第でございます。
当時すばソロ行けなかったことにだいぶふてくされていたからな……。
しかし今さら感想というのもあれだし、目的はダイレクトマーケティングなのでとにかくこの作品の魅力について語ろうと思います。
渋谷すばる LIVE TOUR 2016 歌(初回プレス仕様) [DVD]
- 出版社/メーカー: (株)インフィニティ・レコーズ
- 発売日: 2016/09/21
- メディア: DVD
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渋谷すばる LIVE TOUR 2016 歌(初回プレス仕様) [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: (株)インフィニティ・レコーズ
- 発売日: 2016/09/21
- メディア: Blu-ray
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買ってよかったポイント①
渋谷すばるの顔がかっこいい
冗談ではなく、結構この映像私にとって「渋谷すばるの顔面ドアップをBlu-ray画質で堪能できる」というところを一番楽しんでいる気がします。
正直私的渋谷すばる2016年トップオブ顔面は年末ごろ、エイタメが始まる頃なのですばソロのこの時*1は最高潮!というわけではないのですが、尋常じゃなくかっこいい。花粉症の薬の影響で顔がパンパンに浮腫んでいるおかげで珍しくすばるくんが太って見えるのに、ありえないほどかっこいい。なんなら薬の影響受けまくったのに肝心の花粉症に対してはあまり効き目がなく、常に涙目になったおかげでなんかセクシー。
関ジャニ∞の映像ではなく渋谷すばるのソロ活動の映像なので、もちろんすばるくんがあらゆる角度でたくさん映ります。マジ天国。
主役であるすばるくんが多くありながら、しっかりバンドメンバーのかっこいいところもたくさん映してくれてカメラワークに不満無し。ディレクターさんの痒い所に手が届く采配に感謝ばかりです。
少し脱線しますが、バンドメンバーの方が今回も豪華でありまして!エイトでもおなじみのnojoさん、濱崎大地さんはじめ、名だたるプロの方々が後ろにいる頼もしさたるや!!
昨年から引き続きメンバー紹介セッションもパワーアップしています。レコーディング合宿からツアーまで一緒に周っていくなかでの楽しそうな雰囲気がそのまま伝わってきます。とにかく音楽が好きで、音楽を愛し、音楽と添い遂げそうなメンバーばかりが揃ったすばるバンドの皆様にも注目していただきたいです。
ちなみに私はGt.の山口周平さん(向かって右)がむちゃかっこよくて好きです。足が凄く長いです(大注目)。
購入をオススメするのは断然Blu-rayです。
お値段も収録内容も同じなのでBlu-rayで鑑賞できる環境のある方は元からBlu-ray一択な気がしますが!それでもBlu-rayを推すのは汗の雫ひとつ見逃さない画質だから。汗がなじんだ肌の質感まで完全再現してくる画質はたまらない。
買ってよかったポイント②
「えいたー」への愛
ライブ当日、両国国技館に立つのぼりには「渋谷すばる」「えいたー」と記されていました。
関ジャニ∞のファンを「eighter」と名付けたのは彼です。名付け親になるぐらい、ファンを大切にしてくれている彼の愛は、この映像でも溢れてきます。
曲中、あまりにも愛おしそうに眺める目。ライオンの「始めて得た仲間に」で客席を指さし、それに盛り上がった客席を「曝け出して応えたいんだ」でフッと一瞬微笑むところがあまりにもズルい。美味しそうにご飯を食べる彼女を見て微笑む彼氏か。
今回全体を通してすばるくんが彼氏なんですが(?)、それがよく表れているのがMC。
ボーッと座って、お客さん眺めて「久しぶりぃ」とか適当に挨拶して、升席のお客さんを真ん中向かい合わせて、ほとんどが初めましてな組み合わせなのに「仲良ぅせい!」と無茶振り(ドS)。
それでお客さんが内側向き合って盛り上がってると、急に花開くように笑うんです!!!この笑顔が!!!表情動かさずにドSっぽさを出してきたところでこの笑顔!!!!!!!!!
他にも客席最高齢70代の貴婦人に「だいすき」と言われて「言わせちゃったみたいで……」って照れる!!!!!ハイかわいい!!!!!
しかもその照れた顔しているのは渋谷すばるですからね?前述した通り顔が最高な渋谷すばるですからね???
とにかくMCもその後のお客さんにリズムをとらせる流れも、彼がこちらを楽しそうに愛おしそうに見てくれるから、ものすごく心地がいいのです。そしてそれ以上にこちらも彼のことを愛おしく思っていて、世界には愛しかない。
買ってよかったポイント③
二度と見れない楽曲たち
二度とは言い過ぎな気もしますが(笑)
関ジャニ∞の「元気が出るアルバム!!」には収録されたものの「元気が出るLIVE!!」では披露されなかったスペアキーをまさかのすばソロで供養。
セトリ落ちした楽曲をソロで拾ってくる、そういう発想をするところがまた去年ではありえない話だったと思うのですが、これはまた後述。
しかしこのスペアキーが関ジャニ∞の方のツアーで拾われてくるには、他名曲人気曲隠れ曲たちと戦わなければいけないので、厳しいのでは。ということも考えるとこの先も披露が危ういスペアキーが収録されているのはこの映像だけ!
私が一番セトリ入りにグッときたのはwords。聞きたかったー!!昔このブログに渋谷すばるの歌詞が描く世界という記事を書いたのですが、そのときに特徴としてあげた韻踏みがこれでもかというぐらい使われたすばるくんのらしい2009年のソロ曲です。
歌詞にある「叩けガンガンにYANCY」とCD収録時の鍵盤YANCYさんも歌詞に使っているのですが、ここを今回のツアーの鍵盤が佐藤真吾さんであることから「叩けガンガンに真吾!」に変更してあります。歌詞で名前を呼ぶ表現に弱い私はもちろんメロメロ。
ちなみにこの真吾!を信五!に変換することで疑似松原.ができてしまうわけですね…鍵盤だし……。いつかエイト演奏でそれぞれのソロ曲をアレンジとかあったら楽しそう。
エイトでも頻繁にセトリ入り、すばソロもドリフェスから皆勤賞の「宇宙へ行ったライオン」は、どの時でも変化があって、でもどの時でも大きな大きな熱量があってたまらないです。私はこの曲ですばるくんを宇宙へ押し上げたい。遠くへ遠くへ駆け上らせたい。
今回のライオンはジェスチャーが増え、視覚的にもすばるくんが何を叫びたいのかをヒリヒリと感じました。
「少年は宇宙指す」で思いっきり中指で宙を指して。そうやって宙を指した中指を、「俺はこんなもんじゃねーと 震える血が滾るんだ」で自分の首に当てた貴方は。
いつも私はこのライオンを見ると、今までどれだけ中指を立ててきたのか、ここまで来るのにどれだけ自分に中指を立ててきたのかを考えてしまうのです。
会場のバックが真っ暗なおかげもあって、ライオン以降はすばるくんは宇宙に行ってしまったと私は錯覚を起こします。
宇宙で、音の海を漂う。音楽に全身を委ねる、委ねられるほど音楽を信じ切っているすばるくんによって生まれていく音の星の煌きは、今この瞬間瞬間だけのものだと、私は感じているのです。
買ってよかったポイント④
2015年からの変化
髪型ひとつで性格まで変わるぐらいに常に変化し続ける男、渋谷すばる。
そんな彼にとって映画「味園ユニバース」での単独初主演は、あまりにも大きな衝撃を伴う体験であったのだと思います。
若いころ待ち望んでいたソロとしての音楽活動は、映画の主題歌という形で実現しました。
後々の雑誌等でのインタビューで彼も語っている通り、彼の中で「これはソロデビューというより映画の活動の一種」としての意識が強かったようで、そのような意識の結果2014年~2015年前半は常に大森茂雄が憑依していたように思います。
だから2015年のすばソロでは大森茂雄が憑依した状態であって、それがあの焦燥感と危うさにも見えるほどの暴力的なほどの熱烈なライブとしてあらわれていたのではないかと。
彼が自身のソロ曲を選ばず関ジャニ∞の曲をセトリ入りさせていたのは、彼の中でのソロデビューとしての意識がないから、「関ジャニ∞」の渋谷すばるである気持ちが強すぎたからと考えています。固執していた、とも言えるぐらいに。
だから実質、今回が真のソロデビューだったのかもしれません。タイアップもなく、カヴァーアルバムであることこそ事務所の意思であったようですが、方向性も収録曲も自分で決め、本人もこれできちんとソロデビューと言えると感じた。
固執しなくなっただけで、彼の根っこは関ジャニ∞に根付いているので変わらないものは変わらないのですが(笑)。
「関ジャニ∞にいかに還元するか」ばかり考えていた去年と違い、ソロ活動にまず向き合い、吸収し、それを関ジャニ∞に帰ったときに還元する。ソロ活動はアウェーでの戦いではなく、別のホームとなり得る場所になるといいなと思っています。村上さんとイフオアのように。
そんなわけで、2015年からの変化、大森茂雄が抜け落ちてもなお熱量は変わらず、でも前よりも洗練されたライブが見れるのがこの映像なのです!!!(着地)
以上でございます。ここで語ってはおりませんがもちろんメイキングも最高です。
全体を通してなのですが、今回のライブは関ジャニ∞にとってもすばるくんのソロ活動にとっても、そしてすばるくんの思想にとっても、これからの全てに対する伏線になる気がしています。
この時のこの経験が、この先のこれに活きているのだと。この発言が、この考え方につながっているのかと。
そういった意味でも手元にあった方がいい資料として必要なのかもしれません。現にすばソロのリハを重ねたのちの全員一斉一発録りのレコーディング方式はエイトの方でも採用されていますしね。
どうかこの映像の目撃者が増えますように。そして、どうかこれから先も素晴らしいソロ活動が行われますように。
渋谷すばる LIVE TOUR 2017の情報はまだ!?!!!
*1:2016年3月27日
ジャニーズ楽曲大賞2016に投票しました
今年も楽曲大賞の季節がきました!!!!やったぁ!!!!
去年初参加でめちゃくちゃ楽しかったので、昨年は楽曲大賞を意識して他ユニの曲も聞くようにしてましたから、やっと投票できると小躍りしてしまいそうです。主催者様、毎年楽しい企画をありがとうございます。今年も楽しませてもらいます。
楽曲部門
第1位:薔薇と太陽 / KinKi Kids
KinKi Kidsの20年の集大成という言葉を見事に体現していた楽曲。光一さんがダンスを、剛さんがギターを。それぞれ個人で磨き上げてきたものをグループに還元する。KinKi Kidsの20年間はこの曲のためにあったのでは?と思ってしまいます。MVも衣装も演出も最高で、デビュー曲「硝子の少年」とのリンクもあってアニバーサリーソングとして百点満点以上の楽曲だと感じています。シャルドネは生で見たかった……。
第2位:NOROSHI / 関ジャニ∞
正直今年は自ユニ以外から選ぶっていう縛りを決めていたのですが、最後に出してきたこの曲でそんな縛り捨ててしまった。自ユニという贔屓目抜いてもかっこいい。私が他担でも選ぶと思ったので投票しました。和服でバンド、MVでは殺陣、ライブではヤクザになって練り歩き。そんな見た目のかっこよさもさることながら、多数派に流される個々を煽る歌詞が魅力的。特に「”私なんて”が流行りの枕詞?あら、控えめなのね、ガールズ?」が昨今の風潮をリアルにとらえていて好き。「眠れる獅子」とは関ジャニ∞のことだと思っています。
第3位:Fantastic Time / Hey!Say!JUMP
2016年その曲自ユニにくれランキング第一位。羨ましいぐらいかっこいい。なぜこんなにかっこいいかって、JUMPが大人数であることを武器にして綺麗に揃って複雑なフォーメーションでも踊るからってことはわかっているけどさ!JUMPがさらに飛躍し、今がブレイクだといえる時に今までのポップでかわいいキラキラ王子様のイメージとは違う、デビュー9年目、大人のJUMPのかっこよさを見せつける曲をリリースできたということもあって、これからのJUMPに期待が膨らむばかりです。個人的にツボなのは高木雄也さんのパワーあふれるサビの振りです。
第4位:Mr.Jealousy(中島健人) / Sexy Zone
それまではキラキラした王子様っぷりが苦手で避けていた中島けんてぃーさんでしたが、この曲のパフォーマンスを少クラで見て鈍器で殴られたような衝撃をうけました。白シャツネクタイのSnow Manを従えて踊る中島けんてぃーさんの迫力。彼はただの王子様じゃないぞと言う事に気づかされました。とにかくかっこいい。彼は「自分を魅せる」ということに非常に特化しているのだなと思います。それにしてもこんなに圧倒的にかっこいい中島けんてぃーさんを無視し、嫉妬させる女は何者。
前から好きだと思っていたA.B.C-Zですけど、この曲で更に好きになりました!(ステマ感) えびさんの(比較的)落ち着いたダンスがすごい好きで選んだんですが、これ五関さん振付なんですね…。グループにこんな振付つけれる人がいるえびさん強くないですか?MVの設定もオタク心をくすぐります。歌詞もまたキュンキュンするやつで、とにかくこの曲聞くとドキドキしてしまいます。
そして以下投票を見送った楽曲たち……
愛!wanna be with you... / TOKIO
ライブで聞きたい曲No.1。いつも頭を振って聞いています。
女性シンガーの曲を歌わせたらピカイチのすばるくん。全く新しいSWEET MEMORIESが楽しめました。
Hey!! Summer Honey(中島健人) / Sexy Zone
少クラのワンカメショーが最高すぎた。
Great 5 / A.B.C-Z
「五大大陸制覇」「俺ら世界最強の"Great 5"」とパワーあふれる歌詞に「天下とるわこれ…」と思わされます。
未音源化部門
Tokyoholic / 関ジャニ∞
今年の冬ツアーで披露された未音源化曲。セッション映像だけはNOROSHIの特典でついていたので見ていたのですが、まさかこんなにアガル曲だったとは。デビューして12年、東京に売りに行って12年経っているのに東京をヘイトする曲を歌っちゃう関ジャニ∞の強さ。バラエティで大阪売ったと言われても、関西人なのに面白いこと全然言えなくても、それでも関ジャニ∞は全員関西出身で関西で誕生した生粋の関西人なんです!バンドという武器を確立させた今、まだまだ関ジャニ∞は止まらないということを示してくれているような気がします。
現場部門
これ入る前までは今年の現場部門は他のものに決めていたのですが、一気に覆ってしまいました。我らが中村監督がつくりあげたOPは関ジャニ∞の隠せないヤカラ感を存分に生かしたヤクザ設定。映像が終わってアリーナを練り歩いて登場しステージに7人が上ったときにはもうかっこよさで呼吸困難になっていました。しかしそれだけでは終わらず、しっかり笑いを取ることも忘れない関ジャニ∞。あんなにかっこよかったOP映像をすぐにエイトレンジャーでパロって笑いに返る手法は関ジャニ∞にしかできないものだと思います。他にも踊り、360°ステージを活かしてメンバーがくまなく周り、そして最後のバンド!物凄い熱量で私たちを燃やし尽くしてから去るエイトはなんて罪な男なのだろうと圧倒されました。もうロスがひどいので、早く映像化してください(現時点でオーラス迎えてない)。
MV部門
薔薇と太陽 / KinKi Kids
この曲を楽曲部門でも1位に選んだのと同じ理由なんですけど、剛さんのやってきたこと、光一さんのやってきたことを全て糧にしてできた曲でありMVであるということを他担ながら感じます。薔薇と太陽というタイトルにもぴったりなカルメン風の赤と黒の世界。鮮やかに演奏する剛さんと、妖艶に踊る光一さんの構図が美しいです。
ジャニヲタ★ベストバイ部門
V6 LIVE TOUR 2015 -SINCE1995~FOREVER / V6
今年一番繰り返し見たDVDです。全編ノーカットで収録されているため、TOKIOや嵐が集ったMCまで完全収録。V6は他作品だとMCはカットされているため、20周年のデビュー日に誕生の地で行われたライブをV6を好きな人たちに余すことなく届けたい、という気概を感じます。初回Aに収録されているメイキングには本番前リハーサルを真剣に行う仕事人V6から、坂本さんの白髪を抜く三宅さんや長野さんにちょっかいを出す岡田さんなど日常的なV6まで楽しめます。初回Bはなんといってもライブ全編をV6が見るオーディオコメンタリーが収録。ツアーの裏話が聞けて楽しいうえにだらだらソファーに座るV6が可愛いです。またトリプルアンコールでのリボンシャワーの様子、その後リボンに書かれたファンからのメッセージを読む様子が収められています。リボンシャワーが散らばったステージの上で輪になって寝ころび自撮りをする6人の姿は、私がジャニオタを始めてから見たもので一番美しい景色でした。
担当:渋谷すばる
冒頭でも言いましたが、こうして他ジャニーズの曲を意識して聞く機会になるのでとても楽しい企画です。結果発表が待ち遠しい!
17年もたくさん良い曲たちに巡り合えますように、ジャニーズを好きなことは楽しいことだと思える1年になりますように。
勝手にネクジェネ大賞2016
「V6 Next Generation」(以下ネクジェネ)とは、V6の年上組である20thCenturyの3人が20年以上パーソナリティーを務めるラジオ番組のことです。
ネクジェネはとにかくトニセンが可愛い。V6の中では見られない、トニセンだけになったときに変わる3人の雰囲気が、知り合って30年近くになる関係性が滲み出ているようで愛おしくてたまらない!!あと単純に3人のトークが面白いです。
そんな愛おしさと面白さが詰まったネクジェネでも、2016年放送分の中で特に私が好きだった話をまとめてみました。名付けて「勝手にネクジェネ大賞2016」
この記事では私が顔が的確なところが好きでV6担がよく使うメンバーを表す顔文字が気に入ってるので、この記事でもそれを使うことにします。可愛いし。
メンバー紹介~キャラ紹介も添えて~
(●●)坂本昌行(45)
黒丸は目じゃなくて、鼻。トニセンになるとV6の時より少しゆるめ。長野さん結婚によりトニセン最後の砦となった。ジュニア時代、所謂「マサ」期のエピソードが尽きない。
(^▽^・)長野博(44)
笑顔と泣きぼくろ。V6の時より遠慮がない。垣間見えるグルメ変態。3人で答えを合わせる番組内ゲーム「チームトニセン」ではだいたい1人でレモン食べてる。*1
(´ε`)ゴクリン井ノ原快彦(40)
細いおめめととがらせた口。V6の時より甘えんぼう気味。ボケの暴走機関車。記憶力がかなり良く、昔の話がポンポンでてくる。「男女の友情は成立しない」論過激派。
No.1 「にぎる」
2016年2月13日放送
No.2 「理想の名前」
2016年9月17日放送
NO.3 「お金って怖いね」
2016年6月18日放送
No.4 「アナゴさんもマスオさんも年下なトニセン」
2016年9月17日放送
No.5 「MS」
2016年2月20日放送
オーチャードホールで行われた(●●)ソロコン「ONE MAN STANDING」について
No.6 「バイラバイラバイラ」
2016年2月27日放送
【バイラ】(●●)主演ミュージカル「ゾロ ザ・ミュージカル」劇中の曲「Baila Me」より。サビで「バイラバイラ」と連呼する。NHK「SONGS」にV6がゲスト出演した際に坂本さんのお仕事紹介でこのサビを歌っているシーンが使われ、あまりのインパクトに、メンバーやファンの中で一大ブームを巻き起こした。
No.7 「WOWWOW」
2016年2月20日放送
No.8 「カミセン」
2016年6月11日放送
No.9 「学級会」
2016年7月30日放送
No.10 「知り合って〇〇世紀のトニセン」
2016年10月8日放送
君の今が幸せであるように
この記事は結婚についてかなり肯定的ですので、この件について気持ちが落ちている方は読まないことをオススメします。
「自担が結婚したら私はどうなるんだろう」
何度も考えた問題です。大好きなあなたが結婚したらどうなるんだろうと。私が担当と言っている、関ジャニ∞の渋谷すばるさんと、V6が。
すごく、嬉しかったです。
私は今とても幸せなんです。
一報を知ったときはかなり戸惑って、混乱して、落ち着かなかったです。
長野さんと結婚がなかなか結び付かなくて。トニセンぐらいの年齢なら、結婚は18歳を超えていれば何も問題はないとはいえ、いよいよありえない話ではないとは思っていたつもりだったんですけどね。
独身としての長野さんをずっと見てきたのに、今から既婚の長野さんを見ることになるんだなぁなんてぼんやり考えて。ネクジェネも既婚者の割合が大きくなるんだなとか思ったりして。
でもなんだかいいなぁって思ったんです。思い浮かぶのは長野さんの笑顔ばかりで、あの目を細めてえくぼつくって笑う私の大好きな長野さんの笑顔を引き出してくれる人がいるんだなって思うと、素敵だなぁって思ったんです。
そしてベストアーティストを見終わってから今、私は長野さんが結婚したことが嬉しくてしょうがないのです。幸せでしょうがないのです。
もっとこういう時マイナスな気持ちを持つと思っていました。今まで長野さんではないけど、好きな人たちの熱愛報道が出たときは少なくとも幸せな気持ちにはなりませんでしたし。
けど今回の結婚に関して、まったく長野さんに対してマイナスな気持ちが出ることはなかったです。「誰かの幸せが私の幸せ」なんて綺麗ごとが、私に対して起こったんです。
どうして私がこんなに幸せを感じているのか、この件に関して言及している方々の文章を読んでわかった気がします。
私は、長野さんがファンの想いを切ってまでも、自分の幸せを掴むという選択を選んだことが嬉しいのです。
舞台『ビニールの城』感想
芸術監督 蜷川幸雄 追悼公演 舞台『ビニールの城』@8/27夜を見てきました。
ストーリー
俺が遠くに行って、まだ、俺に会いたいと思うなら、遠くから来た女に会えと。その女は、俺たちの心のつながりを天びんにかけるような女じゃない。それは、俺と同じように、ガラクタの中から、お前に近づく女だと。お前の知らない遠くから来た女に会えと。それが何だか分からない。女にとって、どこが遠くか。ともかく、そんなことがありまして、僕は夕ちゃんを探してるんです。
8ヶ月前に倉庫に預けたきり行方がわからなくなった「遠くから来た人」である人形の「夕顔」を探す腹話術師【朝顔】(森田剛)は、とあるバーで出会ったねんねこを背中に背負う女【モモ】(宮沢りえ)に愛を告げられる。そのモモは実は朝顔と夕顔が暮らしていた四畳半のアパートの隣に住んでいた女であった。酒に酔った朝顔の口に手を入れ吐かせ介抱したり、夜食を差し入れられたこともあった。
隣人だと気づいたものの「あなたはもう結婚された身でしょう」と諭す夕顔に、「泣き声ひとつない子が、あたしの子ですか?」と返すモモ。背中のねんねこはただの人形、結婚したのも旦那の名前が「夕一(ゆういち)」だったから、旦那のことは愛しておらず、朝顔が夕顔を呼ぶように、「夕ちゃん」と呼ぶその瞬間だけを愛しているだけだ、本当に愛しているのは朝顔だとモモは言う。
モモからの愛に戸惑いつつ朝顔はモモを拒絶する。朝顔は生身の女には興味がないのだった。そこにやってきたのはモモの旦那【夕一】(荒川良々)。バーに居合わせ一部始終を聞いていた夕一の叔父【河合】(六平直政)と連れの【引田】(金守珍)にモモの事情をすべてバラされてもなお「それで、これから帰るんだよね」と言う夕一。しかし「もうあそこへは帰りません。これで縁切りにしてください」と返すモモ。「こうして、ひとさまを傷つけながらも、あんたを待っていたんです!」朝顔に迫り、こう叫ぶ。「あたしはビニールの中の女だと。あなたが封を切らずに持っていた、ビニ本の女です!」
朝顔はアパートに入った時から置いてあったビニ本を封を開けずにずっと持っていた。その中の女に愛をささやいたこともあった。隣人がまさにその女であり、壁の穴からそのようすを覗いていたことも知らずに。
街頭で、夕一と出会う朝顔。確かにビニ本の中の女に愛してるとは言ったが、隣人のあの人に対してではない、生身が嫌だから夕ちゃんとばかりつきあってきたと弁明する朝顔に同一人物なのだと詰め寄る夕一。モモはビニールの城に帰ったという。「ビニールの城はどこにあるのでしょうか?」「それを僕にお聞きになるのは、僕が、あなたに生活をめちゃくちゃにされた夕一だからか、それとも、遠いところからきた人と呼ぶ、人形の夕一だからなのか、どっちでしょう?」「!?」
ホクロをとり、かつらを半分だけはがし半分だけの坊主頭を見せた夕一。「どうして人形の夕一になろうとするんですか?!」と動揺する朝顔に「元々、そうです。」と答える夕一。本当に夕ちゃんなのかと確かめるために今まで話した内容について聞く朝顔とそれに答える夕一。夕ちゃんと会話した哲学のことから女のことまでワーワーと、まるでかつての朝顔と夕顔のように、「夕ちゃん」「朝やん」と呼び名がら語らう2人。白熱して寝転んだところで朝顔が告げる。「もういいでしょう、夕一さん」。朝顔は夕一が気違いな自分なら騙せると夕顔のふりをしていることがわかっていた。その場を去っていく朝顔を見送りながら夕一はつぶやく。「そうじゃないんです。朝顔さん。僕はもう半分、夕ちゃんなんです。夕ちゃんにならなければ、モモという妻に喰い込んでゆくことができないんですから。」
話を聞いていた河合と引田は夕一の代わりに一矢報いるために正方形の水槽に手錠のかけられた一体の人形を沈める。朝顔がこれを見逃す訳ないだろうと思い。そこに現れたのはビニールの城(=ビニ本の撮影所)に向かうモモとその妹分。モモは妹にその人形を水中から拾わせ、「昼顔」と名付ける。私はビニールの城にいると言づてを昼顔に託し場を去るモモ。
その後現れた朝顔は昼顔を見つけるが、河合の手によりまた昼顔は水中に沈められてしまう。河合は朝顔に、自分に手錠をかけた状態でこの人形を救い出せと恐怖の水中脱出をもちかける。朝顔はあのバーで「君ら(人形)が水に没す時、この僕も水に沈もう。」と豪語していたからだ。これを受けた朝顔は水槽のふちに立ち人形の民衆を呼ぶ。「遠くから来た人よ!きみらははるか物体の彼方から、なにゆえここに来た!君らの固くつぐむその本当の目的は何なんだ。おもちゃか、余興か!なぐさみ物か!ちがう!きみらは、人間の目にまだその招待を現してはいない!」「いつも黙っている君たち。この欺瞞の町がいつかたいらかに沈まる時、きみらは初めて何か言うだろう。しかし言っとくが、この偽りの町が正直になることも、新生に目覚める時も、これから断じてこないだろう。ならば!きみたちはどうして現れた!なぜ、遠くからやってきたんだ!言えっ!」「答えは、僕が死んでから来るだろう。そして、僕が死ぬほどの苦しみに耐えたら、少しは聞けるかもしれない。それでも、もし聞くことが出来なかったら、遠くから来た人よ。たのむ。」「デンキブラン*1を一杯、つくってくれ。」こう叫び朝顔は、水槽の中に沈み昼顔の手錠を解くのであった。
朝顔が目を覚ました場所はいつものバー。昼顔と名付け言づてをしたのはモモであると知ると朝顔は「あなたの罠にハマった」とため息をつく。ビニールの衝立越しにモモは再び愛を訴え、ビニールの中のわたしをつかまえてと言うが、朝顔はかたくなに、モモを受け入れなかった。「ビニール越しが好きならば、このビニールさわってこう言います。この封印、また開けられなかったよ、遠くから来た人と。」「いやだよ、朝ちゃん。苦しいんだよお。」ビニールの中は苦しいというモモと、それでもビニールの封を切れない朝顔。この2人は同じ想いになることはなかった。「快く開けて迎えてくれなければ、自分で開けて出ますから。」空気銃を取り出してモモは言う。「あなたが嫌いです。」放った空気の弾丸は、ビニールの衝立を破り朝顔の手にあるデンキブランの入ったグラスを割った。「背中のねんねこが、夕ちゃんですから」最後にそう告げモモは撮影に向かい、朝顔は1人残されたのであった。
霧のたちこめる町で朝顔は再び夕一と出会う。夕一はもう自分は夕ちゃんになってしまったと言う。モモに愛される朝顔が求める夕ちゃんについて考えに考え、ついに自分と人形が混同してしまったのだ。夕一は問う。女と人形の違いとは何か。遠いものを求めた朝顔の心は何なのか。朝顔は人格のないビニ本の女に声をかけた。そして沈黙の人形にも声をかけた。そのように、朝顔は1つのまな板に物と女を並べたのだと。そして夕顔は1つの真実を告げる。「この人形をとりに来なかった8ヶ月、たびたび、この町に通ったモモが、あなたの声をまねて、倉庫の奥にころがった夕ちゃんに、もうすぐ来るよ、きっと来ると声をかけたのを。一度、倉庫を整理すると言った主人に、モモは、あなたに恨まれることを承知で、あの夕ちゃんをおぶりました!」モモは倉庫から夕ちゃんが処分されるのを防ぐためにねんねことして夕顔を背負ったのであった。「行きなさい!あなたは、その人形に再会するでしょう。遠いところからきた人と会うでしょう。しかし、遠いところからきた女を失いましょう。あなたがつかむものは、そういうものです。行くんです。ただこちらからはゆけません。霧の晴れたところから行くんです。」そう言って夕一は、霧の中へと帰っていく。誰もとりにこない夕ちゃんとして。
バーに朝顔が入ると、モモはねんねこを下し、夕顔を朝顔に渡す。朝顔はモモに礼を言い、またもう一度、アパートに戻ろうという。あなたの夜食を待って芸の稽古をすると。モモは喜ぶが、しかし一度空気銃を向け決別した2人。モモは朝顔を拒絶する。モモのいる場所はビニールの城の塔の上だった。水の中へと沈んでいくモモ。朝顔はモモの手を掴むことはできなかった。水の中からそびえたつ高いビニール城。城の中を浮くモモを、朝顔はただ呆然と眺めることしかできなかった。「君に会えただけでもよかったんだよね」そう問う朝顔に、夕顔はゆっくりと口を開くだけであった。
感想
劇場に入るとステージ上で迎えていたのは何体もの人形とかすかに響く風鈴の音で、一歩踏み入れた瞬間から唐十郎の、金守珍の、蜷川幸雄の世界に巻き込まれていました。
私は蜷川演出の作品を他に見たことがないので、あの空間に蜷川幸雄が息吹いていたのかはわからないです。ただ金守珍さんはインタビューで「蜷川さんの死によって演出を引き継ぐことになったため、役は降りるつもりだった。ところが宮沢りえさんが、舞台にも立つべきだと背中を押してくれた。じゃあ全体は誰が見るのかと聞くと、「蜷川さんが見てくれている」と。」と語っていました。それならきっと客席に、蜷川さんがいたのだろうと。蜷川さんが関わった最後の作品を観ることができて幸せだったと思います。
途中、「なんてジメジメした陽気だろ」と腹話術師と3体の人形が繰り返し言う場面があったのですが、その腹話術師がなんと蜷川さんそっくりでした。幽霊として存在しているのかと思うほど。あれは一体どのような意図だったのでしょう。蜷川さんが息吹いているということだったのでしょうか。
はじめ、高く積み上げられた人形倉庫の棚と棚をはしごを使って森田剛さんが移動していくのですが、さすがの軽々とした身のこなしでした。軽々と、しかしどこか焦ってるような身体の使い方は朝顔そのものだと思います。
モモが新聞紙から顔をだすとき、白いライトがあたっておそるおそる顔をのぞかせるその姿が神々しく神秘的で魅了されました。宮沢りえさん、43!?凛とした鈴のような音色の声、はつらつとした立ち振る舞い、そしてビニールの城の中にいる妖艶な姿…。この舞台、宮沢りえさんが中心に蠢いていたと感じています。圧倒的でした。
荒川良々さん演じる夕一(あらすじ読んでいたときはずっと「たー」と読んでしまっていた…「ゆういち」です…)、コミカルなイメージがあったのですが、今回はコミカルな場面もありましたが、モモを深く愛し、愛故に人形と自分を混同してしまい、やがて誰にも迎えにきてもらえないまま去っていく、悲しい悲しい人でした。夕一に対する救いが一切無いのが辛い。あのにぎやかな叔父さんである河合と引田と一緒に、にぎやかに人間らしく生きていってほしいと願うばかりです。
セットも圧巻でした。はじめの倉庫の人形棚から、ネットニュースでよくとりあげられていたネオン街、ひょうたん池のあるバーにビニ本撮影所の鏡、ラストに水の中から浮き上がってくる高いビニールの城……。
私は特にビニ本撮影所の鏡が心に残っています。朝顔を寝かせていたベッドにビニールの衝立、そしてその後ろはすべて鏡になっています。その鏡には朝顔とモモの後ろ姿まで映っています。J列の私から鏡に映る客席が判別できるほど。
よって後ろにいるモモを衝立ごしに見る朝顔という構図が多かったのですが、鏡に映る朝顔の表情まで見れたので良かったです。また舞台本筋とは離れますが、後ろ姿から客席を向く役者を見るということに涙がでてきました。板の上の人達は、この景色を見ているのだなぁと。
考察
考察という名のストーリーについての感想(笑)
悲しかったです。朝顔が。
何人もの人が朝顔に前を向かせようとしました。モモはビニールの中ではない生身の自分を愛してほしいと言いました。3人の腹話術師は、夕顔の声は自分の声なんだと言いました。夕一は、夕顔は「女と人形の違い」を確かめさせるためにいなくなったと言います。
生身を愛せない朝顔は、それを最後の最後まで気づけなかった。
朝顔が愛せないのは生身のものであり、それはつまり魂を持たないものと思います。魂の持たない人形の夕ちゃんとばかり向き合っていました。魂の持たないビニ本の中の女を愛しました。魂のあるものの、獣臭さが許せませんでした。だからビニ本の中の女がビニールの袋を破って、つかまえてと手を延ばす夢を見ると、ビニ本に向かって「どっか、行け」と拒絶するのです。
私の想像ですが、朝顔が腹話術師になる前は、人間にひどい扱いを受けていたのかもしれません。 男に罵倒され、女に蔑まれ。そうでなくとも水槽のふちに立ち民衆に叫んだ言葉から、人間に対する不信感は強くあるようです。
ビニ本の中の女しか愛せない、人形と向き合ってしかいない朝顔を見かねた夕ちゃんは、「遠くから来た女に会え」と言い離れていきます。
夕ちゃんの声というのは、もちろん朝顔の腹の中の声です。
夕ちゃんの話したという言葉はすべて朝顔のものです。魂のない人形が勝手に喋ることはありません。ファンタジーやメルヘンじゃあないんですから。
夕顔と離れるのは、朝顔が本心で望んだことです。夕顔と離れて女を探すのは、朝顔自身が望んだことです。だって実際に朝顔は8ヶ月も経ってから夕顔を探し始めるのですから。
8ヶ月の間、朝顔は夕ちゃんを探していたのではありません。8ヶ月経ってから初めて預けた倉庫に迎えに行ったのです。8ヶ月前、突然アパートを出ていった朝顔を待ち、モモは夕ちゃんを預かっていました。
それなのに朝顔は、最後の最後まで夕ちゃんの声が自分の声だと気づけなかった。臆病者で頭の固い朝顔は、結局自分の本心通りに行動する事はできなかったのです。
ようやく最後に生身の女を受け入れようと思った時にはもう遅かった。モモと一緒になる事はできなかった。きっと朝顔はまた夕ちゃんと共に四畳半のアパートに戻るでしょう。しかしもうその部屋にはビ二本はありません。もうビ二本を眺めることすらできません。生身のモモと向き合い、気持ちを動かしてしまった朝顔はもう今までと同じようには生きていけません。
そして朝顔と夕顔もまた、元には戻れません。あれだけ探し求めた夕ちゃんは、朝顔の手に戻ってきても、ユウガオの花を口の中から咲かせるだけでした。私は観劇中ずっと夕ちゃんが喋るのを待ち望んでいたので、喋らなかった夕ちゃんを見て愕然としました。朝顔は、人形を愛するがあまり生身の人間の優しさに気づけない、気づいた時にはもう遅く、女も人形もどちらも失ってしまった。「どちらも」を選ぶことが出来ない、悲しい男でした。
モモは少女漫画のようになりたくてつけまつげをたくさんつけたり、サングラスをつけないと気づいてくれなかった朝顔にへこんだり、落ち込んでる時にお客さんにグラスを投げて渡したりとお転婆でクルクルと表情を変える可愛らしい少女のようでありながら、ビニールの中での憂いを帯びた瞳、色気の香る身姿と全く違う2つの顔を持ちます。
桃の花言葉は「わたしはあなたのとりこ」。モモは朝顔のとりこでした。しかし朝顔はモモの愛を受け入れられない。朝顔は自分をビニールの城から連れていってはくれない。だからモモは決別を選び、自らビニールの外にでることを決めました。空気銃をもって。
モモの放った空気銃はビニールの衝突を破り、朝顔の持つグラスを割ります。ビニールを貫いたのです。それはすなわち、モモがビニールから出ていったということ。この破いたビニールは、モモにまとわりついていたビニールではありません。破れたのは、朝顔とモモの間にあったビニール。あの衝立はビニールの中のものしか愛せない朝顔のためにあったもので、モモはそれを破いた。
朝顔はビニールが破られたことにより、ビニール越しじゃないモモを見れるようになりました。初めて、ビニールの中ではないモモと向き合い、だからこそ夕一にモモの献身的な愛を聞かされた時、今まで頑なだった姿勢を崩しモモの愛を受け入れる気持ちになったのです。
しかしモモが空気銃を放ったのは、朝顔と友になるためではなく、朝顔から決別するため。モモはビニールの城からは出られません。朝顔から望んでいた言葉を聞けても、もう塔の上にいる覚悟を決めてしまっていた。モモはやはり強い女です。
夕一はそんなモモの一番の理解者であったと思います。モモが自分の名前しか愛していないことも、モモが愛しているのは気違いの腹話術師だということを知っても、それでもなおモモに深い愛を捧げます。しかし夕一は聖人では無いので、無償の愛というわけにはいかなかった。モモの中に自分の居場所が欲しいと願ってしまった。願うあまりに、ついに人形と自分を混同させてしまうほどになってしまった。皮肉にも人形と混同させてしまったが故、夕顔の気持ちがわかり朝顔の背中を押すことになってしまいますが。
誰も迎えにこない夕ちゃんとして、最後は霧の中に消えてしまいます。夕一は大きな大きな愛を捧げ、すべて捧げて終いには自分が空っぽの人形になってしまった。
モモは愛に飢えていました。だからビ二本の中の自分を愛する朝顔を求めます。愛に植えていたのなら、深い愛を捧げる夕一を受け入れればよかったのに、それでも朝顔を求めた。
しかし朝顔は夕顔への、人形への愛ですべて自己完結してしまっていました。周りの愛を受け入れるのも、捧げるのも余裕がなかった。1度は離れて女を探してみたけれど、やはり生身とは向き合えませんでした。
3人とも自己が強く、自分が求めるものを強く願いすぎるがゆえ、他者の導きを受け入れられない。みんな強いが、それ故に脆い。きっとこれは、そういう物語だったのだと思います。
霧の中でも、ビニールをかぶっていけば雨にかわる。なんてジメジメした陽気だろ。
*1:アルコール度数45度ほどの強いブランデー。当時最新のものに「電気」と冠をつけることが流行っていた